ニュース速報

ビジネス

FRB、インフレリスクを一段と注視すべき=IMF

2021年12月04日(土)00時44分

国際通貨基金(IMF)は3日、米国を中心とするインフレ圧力の増大と新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」出現に伴う新たな不確実性に警戒感を示したほか、米連邦準備理事会(FRB、写真)はインフレリスクを一段と注視すべきとした。2018年8月撮影(2021年 ロイター/Chris Wattie)

[ワシントン 3日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は3日、米国を中心とするインフレ圧力の増大と新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」出現に伴う新たな不確実性に警戒感を示したほか、米連邦準備理事会(FRB)はインフレリスクを一段と注視すべきとした。

IMFのチーフエコノミスト、ギタ・ゴピナス氏と金融資本市場局のトビアス・エイドリアン局長はブログで、パンデミック(世界的大流行)の再燃とオミクロン株によって世界経済の見通しを巡る不確実性が急激に高まっていると警告。ただ、回復の強さやインフレ圧力の大きさは国にとって大きく異なり、政策対応は個々の経済状況に合わせて調整することができるとした。

10月の消費者物価指数が31年ぶりの高水準に達した米国では、ユーロ圏を含む他の先進国と比較して、金融政策に置いてインフレリスクをより重視する理由があると言及。「FRBが資産買い入れの縮小ペースを加速し、利上げ時期を前倒しすることは適切だろう」とし、今週のパウエルFRB議長の発言に同調した。

また、時間の経過とともにインフレ圧力がより広範囲に広がった場合、米国以外の国々も予想より早く金融政策を引き締める必要があるかもしれないとした。

一方で、インフレリスクを抑制するためにFRBが前倒しで対応すれば、市場が不安定になり、新興国や発展途上国などを中心に問題が発生する可能性があるとも言及。このような事態を避けるためには、政策変更を首尾よく伝える必要があり、新興国や発展途上国も債務の満期延長を交渉するなどで先進国の金利上昇に備えるべきとした。

インフレに関しては、エネルギー価格と食料品価格の上昇が多くの国でインフレ高進を招いており、一部の国では2022年もインフレ高進が続く可能性が高いと分析。ただ、中長期的なインフレ期待を示す指標は大半の国で政策目標に近い水準を維持しているとした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中