ニュース速報

ビジネス

訂正:米国株式市場=上昇、オミクロン株巡る懸念が後退

2021年11月30日(火)07時38分

米国株式市場は上昇して取引を終えた。9月撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

(5段落目の4社を3社に訂正します)

[29日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」について、バイデン米大統領がロックダウン(都市封鎖)の再導入にはつながらないと述べ、安心感が広がった。

主要株価3指数はいずれも前週末の急落から反発。テクノロジー株の上昇に支援され、ナスダック総合が上げを主導した。感謝祭の祝日明けで半日取引となった26日は、オミクロン株の出現で経済に混乱が生じるとの懸念からS&P総合500種とダウ工業株30種は数カ月ぶりの大幅な下落率を記録していた。

バイデン氏は29日に「この変異株は懸念すべきものだが、パニックを起こすべきものではない」と述べ、オミクロン株の感染拡大阻止に向け、ロックダウンを再導入することはないと言明した。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「26日は感染拡大とロックダウン再導入への懸念からリスク回避の動きが大いに強まった」と指摘。しかし現在は大統領の発言や製薬会社の対応を受けて楽観的な見方が出始めていると述べた。

米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、独ビオンテックの3社(訂正)は29日、現行の新型コロナウイルスワクチンがオミクロン株に効かない場合に備えて、この変異株に特化したワクチンの開発に取り組んでいると発表した。

S&P主要11セクターでは情報技術が2.6%値上がりし、上げを主導。アマゾン・ドット・コムとテスラが買われ、一般消費財も1.6%高と上げが目立った。26日の急落でバリュエーションの高いテクノロジー株に割安感が出た。

個別銘柄ではマイクロソフトやアップルも買われ、S&Pを押し上げた。アップルはHSBCが目標株価を引き上げたことが好感された。

製薬大手メルクは5.4%安と続落し、ダウを圧迫した。26日に発表した新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」の更新データで、入院や死亡を減少させる効果が以前の報告よりもかなり低いことが分かった。

モデルナは11.8%高、ファイザーは3%安、J&Jは0.34%高。

半導体株に買いが広がり、フィラデルフィア半導体指数は4%上昇。エヌビディアが5.9%高と指数を押し上げた。

テスラは5%高。マスク最高経営責任者(CEO)が納車コストを削減するよう従業員に促したとの報道が材料になった。

ツイッターは一時の上昇から下げに転じ、2.7%安で終了。同社はドーシー最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.31対1の比率で上回った。ナスダックでは1.35対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は111億3000万株。直近20営業日の平均は108億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 35135.94 +236.60 +0.68 35017.71 35287.91 34895.89

前営業日終値 34899.34

ナスダック総合 15782.83 +291.18 +1.88 15719.42 15833.11 15644.62

前営業日終値 15491.66

S&P総合500種 4655.27 +60.65 +1.32 4628.75 4672.95 4625.26

前営業日終値 4594.62

ダウ輸送株20種 16362.01 +146.36 +0.90

ダウ公共株15種 920.57 +13.62 +1.50

フィラデルフィア半導体 3910.54 +153.41 +4.08

VIX指数 22.96 -5.66 -19.78

S&P一般消費財 1639.09 +26.22 +1.63

S&P素材 544.19 +2.67 +0.49

S&P工業 872.81 +2.05 +0.24

S&P主要消費財 752.33 +3.89 +0.52

S&P金融 645.94 +2.01 +0.31

S&P不動産 302.34 +3.98 +1.33

S&Pエネルギー 421.22 +2.48 +0.59

S&Pヘルスケア 1540.15 +5.80 +0.38

S&P通信サービス 268.96 +2.98 +1.12

S&P情報技術 2985.41 +76.78 +2.64

S&P公益事業 342.60 +5.28 +1.56

NYSE出来高 10.47億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 28330 + 110 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 28330 + 110 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済指標「ハト派寄り」、利下げの根拠強まる=ミラ

ビジネス

米、対スイス関税15%に引き下げ 2000億ドルの

ワールド

トランプ氏、司法省にエプスタイン氏と民主党関係者の

ワールド

ロ、25年に滑空弾12万発製造か 射程400キロ延
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 9
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 10
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中