ニュース速報

ビジネス

英財務相、公的支出拡大と新たな減税を表明 予算演説

2021年10月27日(水)23時55分

10月27日、英国のスナク財務相は英経済が新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)から予想以上に力強く回復する中、公的支出の拡大と新たな減税の実施を表明し、物価上昇から家計を守ると確約した。写真は同日、ロンドンの首相官邸前で予算案が入った赤い箱を報道陣に示すスナク財務相(2021年 ロイター/May James)

[ロンドン 27日 ロイター] - 英国のスナク財務相は27日、英経済が新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)から予想以上に力強く回復する中、公的支出の拡大と新たな減税の実施を表明し、物価上昇から家計を守ると確約した。

スナク氏は議会で行なった半期一度の予算演説で、経済成長率の見通しが改善されたことで、パンデミックを乗り切るために政府が打ち出した政策が正しかったことが証明されたと指摘。「今回の予算はパンデミック後の新たな経済への準備を開始するものだ」と述べた。

スナク財務相は、全ての政府部門の予算を実質的に増加させると表明。同時に政府借り入れを巡る新たな規則も発表し、基礎的な公的部門の純負債の対GDP比率を低下させ、3年以内に支出と収入を均衡させるとした。

税制面では、パンデミック緊急福祉給付金の上乗せ終了による低所得層への打撃を軽減するための措置を導入するほか、小売業や接客業などの打撃を受けた部門の税率を1年間引き下げるとした。

英予算責任局(OBR)が示した2021年の経済成長率見通しは6.5%。3月時点の4.0%から大きく上方修正された。上方修正後の成長率見通しに基づくと、英経済がパンデミック前の規模を回復するのは今年末となり、3月時点の予想の22年第2・四半期から前倒しされる。

OBRは21/22会計年度の赤字の国内総生産(GDP)に対する比率は7.9%と試算。従来見通しは10.3%だった。向こう4会計年度の同比率の見通しも下方修正した。

OBRは22年のインフレ率は5%になるとの予想を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 「経済は米関税にも耐性示

ビジネス

米雇用コスト、第3四半期は前期比0.8%上昇 予想

ワールド

スターマー英首相、トランプ氏の批判に反論 「欧州は

ワールド

ノーベル平和賞マチャド氏、授賞式間に合わず 「自由
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲う「最強クラス」サイクロン、被害の実態とは?
  • 4
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中