ニュース速報

ビジネス

米住宅着工、3月は約15年ぶり高水準 許可件数の伸び控えめ

2021年04月17日(土)03時07分

米商務省が16日発表した3月の住宅着工件数は年率換算で前月比19.4%増の173万9000戸となり、2006年6月以来、14年9カ月ぶりの高水準となった。写真は2014年9月、カリフォルニア州で撮影(2021年 ロイター/Mike Blake/File Photo)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した3月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比19.4%増の173万9000戸となり、2006年6月以来、14年9カ月ぶりの高水準となった。ただ、供給逼迫により木材価格が急騰しており、住宅建設業者が生産を加速させ、住宅市場の減速を引き起こす恐れのある住宅の供給不足を和らげる余地は限られている。市場予想は161万3000戸だった。

前年同月比では37.0%増と急増した。2月は全米の広い地域が寒波に見舞われて落ち込んでいた。地域別では、北東部と中西部、南部が前月から増加する一方、西部は減少した。

許可件数は前月比2.7%増の176万6000戸と、8.8%減った2月の落ち込みのごく一部を取り戻した。前年同月比では30.2%増。

新型コロナウイルスによる供給網の混乱で一次産品が値上がりしている。先週発表された卸売物価指数(PPI)統計によると、住宅に使われる針葉樹製材の3月の価格は前年同月比で83.4%上昇して過去最高の伸びを記録。ベニヤ板などほかの建材も大幅に値上がりした。

ファニーメイのチーフエコノミスト、ダグ・ダンカン氏は「住宅需要が引き続き堅調に推移すると思われる一方、年が明ければやや減退する」と予想。「住宅建設業者は、木材やその他の資材の価格上昇など、引き続き供給面での制約に直面している」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が今月初めに公表した調査によると、西海岸の港での混雑や、寒波によりカナダで工場が閉鎖しトラック輸送が制限されたりしたことも、値上がりを引き起こす建材不足の一因となった。

最も大きなシェアを占める一戸建て住宅の着工件数は前月比15.3%増の123万8000戸。ただし、昨年12月のピークを下回っている。許可件数は4.6%増の119万9000戸だった。

FHNフィナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロウ氏は「ほとんどの都市部で在庫が逼迫しているにもかかわらず、一戸建ての着工件数が昨冬のピーク時の水準まで完全に回復しなかったことは、建設業者が手控えていることを裏付けている」と話した。

変動の大きい集合住宅の着工件数は30.8%増の50万1000戸。許可件数は1.2%減の56万7000戸だった。

*情報を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、Xに1.4億ドル制裁金 デジタル法違反

ビジネス

ユーロ圏第3四半期GDP、前期比+0.3%に上方修

ワールド

米、欧州主導のNATO防衛に2027年の期限設定=

ビジネス

中国の航空大手、日本便キャンセル無料を来年3月まで
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中