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ホンダ、サイバー攻撃で生産休止中の全工場が操業再開
6月12日、ホンダは、サイバー攻撃を受けて生産を休止していた工場すべてが現地時間11日までに再開したと明らかにした。写真はジュネーブで昨年3月撮影(2020年 ロイター/Pierre Albouy)
[東京 12日 ロイター] - ホンダ<7267.T>は12日、サイバー攻撃を受けて生産を休止していた工場すべてが現地時間11日までに再開したと明らかにした。サイバー攻撃により、8日午前に社内ネットワークシステムに障害が発生。この影響で国内外の一部工場で生産・出荷が一時停止した。停止による生産台数への影響は非公表だが、広報担当者によれば、生産の遅れは挽回できるとして「事業への影響は特段ない」としている。
今回のサイバー攻撃では、何者かが外部から社内サーバーに侵入後、ウイルスを拡散させた。ウイルス拡散の影響は生産管理システムにも及び、インドとブラジルの二輪車工場、トルコと北米の四輪車工場が一時生産休止に追い込まれた。各工場は順次復旧し、稼働をすでに再開。最後まで休止が続いていた米国オハイオ州のメアリズビル、イーストリバティ、パフォーマンス・マニュファクチャリング・センターの3つの四輪車工場も11日までにすべて再開にこぎつけた。
北米ではコールセンターの受付やリース契約業務もできない状態になった。現在、復旧作業は始まっているものの、全面再開にはまだ至っていない。
サイバー攻撃を受けた8日当日は、国内の寄居(埼玉県寄居町)と狭山(埼玉県狭山市)の四輪車工場で、出荷前に完成車に不具合がないかどうかを確認する「完成車検査システム」がシステム障害の影響を受けたため、出荷を一時見合わせたが、同日午後には再開した。
一方、当初は鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)もシステム障害の影響で8日に出荷を停止したと伝えられたが、実際には影響を受けておらず、出荷も止まっていないという。中国の工場も影響は出ていない。広報担当者はまた、「顧客・社員いずれの個人情報も漏えいしていない」といい、誰がどう不正にアクセスし、国内と海外のどちらから侵入したかなど詳細に関しては「セキュリティーの関係で答えられない」としている。
システム障害は8日午前9時ごろに発生。外部から社内サーバーに侵入され、ウイルスが拡散されたことが判明。生産管理などのシステムのほか、一部社員のパソコンもウイルスに感染していた。社員はメールのやり取りなどもできなくなった。コロナウイルス感染防止のため、社員の多くが在宅勤務中だったため、9日は間接部門を中心に有給休暇の取得を推奨した。現在は一部の社員を除き、パソコンを使用して通常業務を行っているという。
(白木真紀)