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韓国中銀、予想通り金利据え置き 成長・インフレ見通し引き下げ
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11月29日、韓国銀行(中央銀行)は市場の予想通り政策金利を据え置いた。世界的なリスクへの慎重な見方を反映して経済成長とインフレ見通しを引き下げ、来年に追加利下げするとの市場予想を裏付ける形となった。2017年11月にソウルで撮影(2019年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 29日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は29日、市場の予想通り政策金利を1.25%に据え置いた。世界的なリスクへの慎重な見方を反映して経済成長とインフレ見通しを引き下げ、来年に追加利下げするとの市場予想を裏付ける形となった。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では、19人全員が1.25%での据え置きを予想していた。
今回の中銀会合では理事会メンバー7人中1人が利下げを支持した。
政策決定後の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁の記者会見を受け、韓国の3年債先物
総裁は記者会見で「(国内)経済は来年半ばまで現在のペースと同様のトレンドが続いた後、改善し始める見通しだ」と語った。
中銀が示した国内総生産(GDP)伸び率見通しは2019年が2.0%、20年が2.3%。それぞれ従来予想の2.2%、2.5%から下方修正した。
19年のインフレ率見通しも、これまでの0.7%から0.4%に引き下げた。
シンヨン証券のエコノミスト、Cho Yong-gu氏は「総裁は経済が回復し始めても勢いは決して強くないだろうとし、回復が始まるのも来年半ばからだと述べた」と指摘。こうした慎重な見方は2020年に追加利下げが実施される可能性が高いことを示すとし、来年の据え置き予想を利下げ予想に変更した。
この日の据え置きは予想通り。今後については、ロイター調査では14人中11人が1%かそれ以下への利下げが来年あると予想している。追加利下げが実施されれば、政策金利は現行の政策枠組みが導入された1999年以降で最も低い水準となる。
半導体や自動車などの輸出に大きく依存する韓国経済は低迷しており、中銀の2度の利下げや政府の歳出拡大にもかかわらず、成長率は過去10年で最悪の数字となる見通し。
製造業活動に安定化の兆しが幾分みられ、米中貿易戦争の早期終結を巡る楽観的な見方も出ているものの、韓国経済の力強い回復には追加の政策支援が依然として必要になるようだ。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、アレックス・ホルムズ氏は「韓国中銀の緩和サイクルはまだ続くと考える。世界経済は今後数四半期にわたって低迷する見込みで、輸出需要は引き続き抑制される」との見通しを示した。
*内容を追加しました。