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米4月小売売上高0.3%増、伸び鈍化も2カ月連続増 ガソリン高は重し
5月15日、4月の米小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増から伸びが鈍化し、市場予想と一致した。写真は2011年11月、シカゴのターゲット店舗で撮影(2018年 ロイター/John Gress)
[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した4月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増(上方改定)から伸びが鈍化し、市場予想と一致した。
ガソリンの値上がりが裁量支出を抑制したものの、緩やかな伸びを維持し、1、2月の急激な落ち込みから勢いを取り戻しつつある兆候を示唆した。前年同月比は4.7%増だった。
MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「安定的な消費支出を背景に、米連邦準備理事会(FRB)は緩やかなペースでの利上げ軌道を維持することが可能となり、次回利上げは6月となる公算が大きい」と語った。
自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高は前月比0.4%増。3月の数字は当初発表の0.4%増から0.5%増へ上方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の消費支出に最も近いとされる。米経済の3分の2以上を占める消費支出は第1・四半期に急減速し、伸び率は年率で1.1%増と5年近くぶりの弱さだった。税還付の遅れが影響したとみられる。また、エコノミストらは、2017年末に立て続けにハリケーンが直撃した後の復興作業で消費が17年第4・四半期に前倒しされたという。第1・四半期GDPは年率2.3%増だった。
このところガソリン価格が上昇しており、値上がりが続けば所得税が下がったことによる消費支出の押し上げ効果は抑制される可能性がある。
JPモルガンのマイケル・フェローリ氏は「今後ガソリン価格高が消費者への重しとなる見通しだ」と指摘。米エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン価格は1ガロン=3ドル近くまで上昇している。対イラン経済制裁の決定で原油相場が上昇していることもあり、ガソリン価格は今後高止まりする公算が大きい。
4月の小売売上高の内訳は、自動車が0.1%増。3月は2.1%増加していた。ガソリンスタンドは0.8%増。ガソリンの値上がりを反映した。消費者にとってガソリン支出が増えたことを背景に、外食は0.3%減と、17年2月以来の大幅な落ち込みとなった。運動・娯楽は2カ月連続で0.1%減少した。電子・家電も0.1%減だった。
家具は0.8%増。3月は1.4%増加していた。建材は0.4%増。衣料は1.4%増と、17年3月以来の大幅な伸びだった。オンライン小売りは0.6%増加した。