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FRB議長、利上げ路線堅持 次期NY連銀総裁は米中摩擦に懸念
4月6日、米FRBのパウエル議長は、インフレ制御に向け利上げを継続する必要がある公算が大きいとの見解を示した。写真はワシントンで先月撮影(2018年 ロイター/Aaron P. Bernstein)
[サンタローザ(米カリフォルニア州) 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長と次期ニューヨーク連銀総裁に決まったサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は6日に行った講演で、FRBはインフレの制御に向けて段階的な利上げの継続が必要となってくる公算が大きいとの見解を示した。
米中貿易摩擦を巡っては、パウエル議長が米経済見通しに及ぼす影響に言及するのは時期尚早と述べるにとどめたのに対し、ウィリアムズ総裁は、極めて破壊的な影響を及ぼす可能性があるとして懸念を示した。
パウエル議長は就任後初めて行った経済見通しに関する講演で、労働市場は完全雇用に近づいているとみられ、インフレは向こう数カ月間で上向く公算が大きいとの認識を示した。
その上で「経済がおおむね現在の軌道で推移する限り、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を緩やかに引き上げていくことが目標達成に向け最善の道となる」と述べた。
米経済見通しに対するリスクは「おおむね均衡している」との見解も示した。
ウィリアムズ総裁も別の講演で、経済について明るい見通しを示し、経済の過熱を防ぐためFRBは緩やかな利上げを継続する必要があるとの考えを示した。
経済成長は引き続き力強く推移し、インフレ率はFRBが2%としている目標を達成するだけでなく、超える可能性があると指摘。「成長が堅調で失業率が歴史的な低水準となるなか、緩やかな利上げプロセスを向こう2年間にわたり継続できると確信している」と述べた。
ウィリアムズ総裁は米中間の関税を巡る応酬について、今のところ実際の措置はそれほど極端なものにはなっていないものの、貿易戦争に発展すれば成長鈍化やインフレの急加速、生産性の低下を招く恐れがあるとして強い懸念を示した。
誰もが開かれた貿易から遠ざかることになれば、ネガティブな影響が予想されると述べたが、現時点でそうした変化はみられないとした。
中国が大量の米国債を売却する可能性があるとの指摘には否定的な見方を示し、売却すれば中国は自国に損失をもたらすことになるとした。
一方で、大豆などへの関税が実際に発動されれば、農業など米経済の一部セクターが特に影響を受ける恐れがあると指摘。
「われわれは当然、状況を注視している」とし、「世界経済は相互貿易の上に成り立っており、それを全て巻き戻そうとすれば、米国だけでなく世界にとって極めて破壊的な影響と大きな犠牲をもたらす」と警告した。
*内容を追加します。