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東電が再エネ強化の方針、社長「燃料・火力発電に匹敵する事業に」
2月16日、東京電力ホールディングスの小早川智明社長は、国内外で再生可能エネルギーを強化する意向を表明した。都内で2016年撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 16日 ロイター] - 東京電力ホールディングス<9501.T>の小早川智明社長は16日の記者会見で、国内外で再生可能エネルギーを強化する意向を表明した。「燃料・火力発電事業に匹敵する柱にすべく強力に推進する。導入コストも徐々に低減しており事業性も高まっている」などと強調。
同社の重要課題を議論する「みらい経営委員会」において具体的な検討を加速するとしている。
小早川氏は、再エネ導入拡大に向けて「有望なエリア、事業内容、推進体制を2018年度内に構築しきたい」と述べた。
再エネ拡大は主に海外を想定。「国内は省エネが進み、人口減少もありエネルギー市場自体は縮小傾向だが、新しく稼ぐ市場を求めるには海外が有望」と指摘。「再エネは世界で今後10年程度で約500兆円の投資があり、必要に応じて国内外のパートナーと組んで事業を進めたい」などと話した。
昨年7月に政府認定を受けた第3次の経営再建計画で東電は、福島第1原発事故に絡む廃炉・賠償費用として年間5000億円を確保した上で、10年後には年間4500億円の利益創出を目指す姿を描いた。
小早川氏は「10年後に4500億円(の確保)は、あらゆるコストダウンや、(中部電力<9502.T>との燃料・火力共同事業の)JERAへの期待を含めても少し足りない」と語り、今後の成長性に期待感を示した。
JERAは2030年度に2800億円の純利益を目指しているが、再生可能エネルギーの将来的な収益貢献については、JERAと同等の規模に育成する必要があるとした。同氏は「この分野(再エネ)ではそのくらいを期待しないといけない」と述べた。
(浜田健太郎)