ニュース速報

ビジネス

米国株式市場はダウとS&Pが最高値更新、ハイテク株に買い戻し

2017年06月20日(火)06時19分

 6月19日、米国株式市場は上昇し、ダウ工業株30種とS&P総合500種は終値で過去最高値を更新した。ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言で米経済への楽観的な見方が広がり、ハイテクなどの成長株に買いが入った。写真はニューヨーク証券取引所、5月撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[19日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、ダウ工業株30種とS&P総合500種は終値で過去最高値を更新した。ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言で米経済への楽観的な見方が広がり、ハイテクなどの成長株に買いが入った。

ダドリー氏は19日、労働市場の改善に伴って物価は賃金とともに上昇するはずだと語り、米連邦準備理事会(FRB)の緩やかな利上げ継続が可能だとの見方を表明。BMOプライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責任者は、ダドリー氏の発言は現在のデータで明らかになっていない経済の基調的な強さに目を向けたものだと投資家が受け止めたようだと指摘し、「FRBの基本シナリオでは今は一時的な軟調局面であり、上向きの流れは続くということだ」と述べた。

これを受けて割高感から週間ベースで2週連続下落していた情報技術株<.SPLRCT>は1.7%上がった。ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ルシーニ氏は「投資家はハイテク株から一時的に撤退を余儀なくされたが、このセクター内の多くの企業は市場全体として見出すことが難しい成長を提供してくれる」と説明した。

金融株<.SPSY>もダドリー氏の発言を手掛かりに約1%上昇した。

ヘルスケア株<.SPXHC>は最高値を更新。バイオ医薬品のバイオジェンや製薬のクロビス・オンコロジーがけん引役となった。バイオジェンはUBSの投資判断引き上げを受けて3.5%高、クロビスは後期試験で卵巣がん治療薬の適用範囲拡大申請に道を開く結果が示されたため、46.5%急騰した。

また前週末にアマゾン・ドット・コムがホールフーズ・マーケット買収を発表したことも市場心理を明るくした。コザド・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、J・ブライアント・エバンス氏によると、アマゾンとホールフーズの案件成立は「合併・買収(M&A)環境が足元でかなり良好だという具体的な証拠」だという。

騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が1.76対1、ナスダックが2.01対1でいずれも上げが優勢。米取引所の合計出来高は約63億株と、過去20営業日平均の68億株を下回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 21528.99 +144.71 +0.68 21444.75 21528.99 21436.08 <.DJI>

前営業日終値 21384.28

ナスダック総合 6239.01 +87.26 +1.42 6196.85 6243.31 6194.00 <.IXIC>

前営業日終値 6151.76

S&P総合500種 2453.46 +20.31 +0.83 2442.55 2453.82 2441.79 <.SPX>

前営業日終値 2433.15

ダウ輸送株20種 9476.63 +62.56 +0.66 <.DJT>

ダウ公共株15種 734.44 -3.07 -0.42 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1087.92 +20.69 +1.94 <.SOX>

VIX指数 10.37 -0.01 -0.10 <.VIX>

S&P一般消費財 723.58 +5.82 +0.81 <.SPLRCD>

S&P素材 342.11 +2.86 +0.84 <.SPLRCM>

S&P工業 592.65 +3.29 +0.56 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 580.91 +2.87 +0.50 <.SPLRCS>

S&P金融 407.53 +3.95 +0.98 <.SPSY>

S&P不動産 201.02 +0.27 +0.13 <.SPLRCREC>

S&Pエネルギー 485.60 -3.35 -0.68 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 908.29 +9.69 +1.08 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 159.74 -0.32 -0.20 <.SPLRCL>

S&P情報技術 962.37 +15.69 +1.66 <.SPLRCT>

S&P公益事業 273.92 -1.03 -0.37 <.SPLRCU>

NYSE出来高 8.01億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20165 + 135 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 20130 + 100 大阪比 <0#NIY:>

(ロイターデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ワールド

トランプ氏、中国による戦略分野への投資を制限 CF

ワールド

ウクライナ資源譲渡、合意近い 援助分回収する=トラ

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 5
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 6
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中