ニュース速報

ビジネス

米小売売上高プラスに、12月利上げ観測後押しか

2016年10月15日(土)01時18分

 10月14日、9月の米小売売上高がプラスに転じた。写真はカリフォルニア州の自動車販売店で5月撮影(2016年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が発表した、9月の小売売上高は前月比0.6%増と、プラスに転じた。自動車購入が急増したほか、裁量的な支出も伸びた。

堅調な内需動向を示し、連邦準備理事会(FRB)の12月利上げ観測が強まる内容となった。前年比では2.7%増えた。

別個に発表された9月の卸売物価指数(PPI)は、前年比で2014年12月以来の高い伸びを記録するなど、物価面でも持ち直しの動きがみられる。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ(ペンシルベニア州)の首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「消費支出やコスト圧力が緩やかながら拡大しており、利上げを思いとどまる論拠は弱まりつつある」と述べた。

自動車、ガソリン、建設資材、食品サービスを除くコア売上高は0.1%増えた。8月は0.1%減っていた。

市場予想は、小売売上高が0.6%増、コア売上高は0.4%増を見込んでいた。

8月の小売売上高は0.2%減と、前回発表の0.3%減から上方修正された。

コア小売売上高が小幅な伸びにとどまったことで、第3・四半期の消費支出は前四半期の年率4.3%増から鈍化することが予想されるが、エコノミストらは依然2.8%増と底堅い伸びを見込んでいる。

TD証券(トロント)のエコノミスト、ブリタニー・バウマン氏は「消費者心理が健全な水準にあることや、労働市場が引き続き改善していることを踏まえると、この日の統計は12月利上げの可能性が十分にあることを示している」と述べた。

9月は、自動車が1.1%増えたほか、ガソリン価格の上昇に伴い、ガソリンスタンドは2.4%と大きな伸びを示した。

レストラン・バーは0.8%増と、2月以来の大きな伸びを記録した。スポーツ用品・趣味も1.4%と大きく増えた。

ミラー・タバクの首席経済ストラテジスト、アンソニー・カリダキス氏は「当面、消費の健全性に懸念材料はまったく見当たらない。労働市場が引き締まり、賃金上昇トレンドもみられ、支出を後押しすると引き続き予想する」と話した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

BofA個人投資家預かり資産、5000億ドル超え 

ワールド

ウクライナ、G7融資30億ユーロ受領 EUが実行

ワールド

ロシア、トランプ氏の対話重視の姿勢歓迎 就任後に首

ワールド

中国、呼吸器感染症でWHOと連携 「新型ウイルスで
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映像に「弾薬が尽きていた」とウクライナ軍
  • 4
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 5
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 6
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 7
    「ポケモンGO」は中国のスパイ? CIAの道具?...大人…
  • 8
    大河ドラマ『べらぼう』が10倍面白くなる基礎知識! …
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    いち早く動いたソフトバンク...国内から「富の流出」…
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 8
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 9
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 10
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中