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ドル/円小幅安、米年内利上げ公算低いとの見方で=NY市場

2016年07月09日(土)07時16分

 7月8日、ニューヨーク市場はドルが円など一部通貨に対して小幅安となった。写真はドル・円紙幣。2013年2月撮影(2016年 ロイター/Shohei Miyano/Illustration/File Photo)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場は、値動きが荒くなる中、ドルが円など一部通貨に対して小幅安となった。

6月の米雇用統計は予想以上に堅調な内容となったが、連邦準備理事会(FRB)が年内利上げに踏み切る公算は低いとの見方が根強かった。

終盤の取引で、ドル/円は0.4%安の100.46円と、英国の欧州連合(EU)離脱決定後につけた安値、99円に迫った。

ポンド/ドルは0.3%高の1.2951ドル。米雇用統計が好調な内容となるなか、驚くほど底堅く推移した。ドルは、豪ドルやカナダドル、ニュージーランドドルに対しても下落した。

6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が28万7000人増え、昨年10月以来の大幅増となった。5月分は当初発表の3万8000人増から1万1000人増に下方修正された。

雇用統計発表後、ドルは円に対して上昇、対ユーロで2週間ぶり高値、対スイスフランで5週間ぶりの高値をつけた。ただその後、ドルは対円でおおむね安めに推移した。

CMEグループのフェドウォッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物は年内はもとより、来年の大部分で利上げの可能性を織り込んでいない。来年6月会合での利上げ確率は28.2%に過ぎない。

フォレックス・ドットコムの通貨ストラテジスト、ジェームス・チェン氏は「FRBに利上げが妥当と納得させるためには、非農業雇用者数など今後数カ月間の経済指標が、前向きな内容を示し続ける必要がある」と話した。

ドル/円相場については「日本側が介入を行うリスクという点で、100円という心理的節目が、主要な境界線と市場関係者らが長く捉えてきた」と指摘する。

ユーロ/ドルは、1.1050ドルに小幅下落した。ドルは対スイスフランで0.4%高の0.9826フラン。

来週のポンド相場について、著しい下振れリスクを指摘する声も聞かれた。英中銀の金融政策委員会が、追加緩和に向けた準備を進める可能性も意識されている。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は、ポンド/ドル相場は底を打つには程遠い状況と語った。

ドル/円 NY終値 100.53/100.56

始値 100.47

高値 101.24

安値 100.05

ユーロ/ドル NY終値 1.1052/1.1057

始値 1.1063

高値 1.1112

安値 1.1003

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