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NY市場サマリー(1日)

2016年07月02日(土)07時57分

[ 1日 ロイター] - <為替> ドルが安全通貨と見なされる円に対し下落した。米国債利回りが大きく低下したことで米国債の魅力が薄れたことに加え、米連邦準備理事会(FRB)が年内はハト派的なスタンスを維持するとの見方が広がっていることが背景。

終盤の取引でドル/円は0.8%安の102.47円。朝方の取引では102.44円まで下落した。ドル指数は0.5%低下の95.700で推移している。

ユーロ/ドルは朝方の取引で1.1168ドルと1週間ぶりの高値を更新。終盤の取引では0.3%高の1.1132ドルで推移している。

ポンド/ドルは0.3%安の1.3280ドル。一時は1.3244ドルまで下落した。前日にイングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁が、英国がEU離脱を選択したことで景気見通しが悪化したため夏にかけて追加金融緩和に動く必要があるとの考えを示唆したことが引き続き英ポンドの重しとなっている。週初からのポンドの対ドルでの下落率は約3.1%になる見通し。

<債券> 世界的な経済成長が鈍化するなか世界の主要中銀が一段の刺激策を打ち出すとの観測から米国債に買いが入った。30年債利回りは海外取引時間に1950年代以来の水準に低下。週間では2014年12月以来の大幅な低下となった。

この日は来週4日の独立記念日の祝日を控え午後2時までの短縮取引となっているため商いは薄かった。終盤の取引で10年債は10/32高、利回りは1.456%と前日終盤から3ベーシスポイント(bp)を超えて低下。一時は過去最低水準の1.381%に迫る場面もあった。

30年債利回りは海外取引で一時2.189%まで低下。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(バンカメメリル)によると1950年代以来の低水準となる。米取引時間終盤では価格は1─17/32高、利回りは2.241%と、前日終盤から約7bp低い水準で推移している。

ただ、朝方発表された米供給管理協会(ISM)の6月の製造業景気指数が53.2と、前月の51.3から上昇し、市場予想の51.4も上回ったことを受け、米国債価格は上値を切り下げる場面もあった。

<株式> 小幅高となり、4日続伸して取引を終えた。朝方発表された好調な6月の米製造業景気指数が買い材料となった。

米供給管理協会(ISM)が発表した製造業景気指数は内訳の新規受注、生産、輸出がそろって上昇し、米製造業が年初の低迷から切返しつつある兆候があらためて浮き彫りとなった。

S&Pは週間ベースで昨年11月以来の大幅な上昇となった。先週の英国民投票で同国の欧州連合(EU)離脱が決まった際は、2営業日続落し値下がり幅が約10カ月ぶりの大きさとなったが、そこから大幅に持ち直した。米国の主要な株式指数は英国のEU離脱(ブレグジット)に関連した値下がりをほぼ取り戻した。

自動車大手のフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は1.2%と2.1%それぞれ上昇した。ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の底堅い需要を背景に6月の米自動車販売が好調だった。ただ市場予想は下回った。

S&Pの主要10部門のうち7部門が値上がりした。S&P主要消費財株指数は約0.9%高と、部門別で最も値を上げた。一方S&P金融株指数はは約0.5%安と部門別で最も振るわなかった。

<金先物> ドルの対ユーロ相場の軟化に伴う割安感などから反発した。8月物の清算値は前日比18.40ドル高の1オンス=1339.00ドルとなった。

この日は外国為替市場でユーロが対ドルで買い戻されたことから、ドル建てで取引される金塊は割安感から買いが入り、午前中ごろには相場は一時1344.30ドルまで上昇 した。その後、米サプライ管理協会(ISM)が発表した製造業景況指数が53.2と前月から上昇し、市場予想も上回ったことから上値を削る場面もあったが、この日は独立記念日に伴う連休を控えてケイ線要因による買いが入ったほか、6月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が悪化したことで同国経済の先行きに懸念が広がったため、金には「質への逃避買い」も入った。

週間ベースでは1.3%上昇。5週間連続でプラスとなった。

<米原油先物> 対ユーロでのドル安などを背景に割安感から買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は前日比0.66ドル高の1バレル=48.99ドルだった。9月物は0.98ドル高の49.99ドルとなった。

外国為替市場でドルが対ユーロで売られたことから、ドル建てで取引される原油などの 商品は割安感から買われた。またこの日は、米独立記念日に伴う連休を控えてポジション調整目的の買いも入った。

また、米サプライ管理協会(ISM)が午前に発表した6月の製造業景況指数が53. 2と前月から上昇し、市場予想(ロイター通信調べ)の51.4を上回ったことも、需要面から原油の支援材料となったもよう。

ロイター
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