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米1─3月の労働生産性0.6%低下、労働コストの上昇続く
6月7日、米労働省は第1・四半期の非農業部門の労働生産性(改定値)が前期比0.6%低下したと発表した。速報値は1.0%低下だった。写真は2015年8月、米ミシガン州の工場で(2016年 ロイター/Rebecca Cook)
[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した今年第1・四半期の非農業部門の労働生産性(改定値)は前期比0.6%低下だった。速報値の1.0%低下からマイナス幅を縮小した。市場予想と一致した。生産がやや上方改定されたことが寄与した。企業はより多くの人を雇用することで、高水準の生産を維持しようとしており、労働関連のコスト上昇が続いている。
労働生産性は昨年の第4・四半期に1.7%低下した。政府は今年第1・四半期の国内総生産(GDP)を速報値段階の0.5%増から0.8%増に上方改定した。
前期比の労働生産性が上昇したのは、過去6四半期のうち2期だけだ。第1・四半期の労働生産性は前年同月比では0.7%上昇した。
生産単位当たりの労働コストを示す単位労働コストは前期比4.5%の上昇。速報値は4.1%上昇だった。昨年第4・四半期の単位労働コストは2.7%上昇から5.4%上昇に改定され、2014年の第4・四半期以来の大きな伸びとなった。
こうした上方改定にもかかわらず、単位労働コストの上昇ペースは引き続き緩やかだ。今年第1・四半期の単位労働コストは、前年同期比では3.0%増だった。
時間当たりの労働報酬は前期比3.9%増。速報値は3.0%増だった。
今年の初めの経済の停滞にもかかわらず、労働市場がかなり強かったことは、労働生産性の弱さで一部説明できる。今年の第1・四半期は月平均で19万6000人の新たな雇用が生まれている。
エコノミストの一部は、労働生産性の弱さの理由として、産業構成が製造業やエネルギー産業からサービス業へとシフトしたことを挙げる。
過去5年間の労働生産性の伸びは、各年とも年率で1.0%を下回っており、潜在成長率の低下を示唆している。
このことは、米経済の伸びしろは考えられている以上に早く消えつつあり、インフレ圧力が予想されているよりも速いスピードで高まる可能性があることを示している。
ウェルス・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「近年の労働生産性の伸び鈍化は、経済の潜在成長率が低下したことを示唆している」と指摘。「よって、残りの年内に2%程度しか経済が成長しなくても、企業が利幅を確保しようとする限り、インフレは加速するだろう」と話している。