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米経済になおリスク、慎重かつ緩やかな利上げ必要=NY連銀総裁
4月8日、ダドリー米NY連銀総裁は、米経済に対する根強い外的リスクを踏まえると、慎重かつ緩やかに利上げを進める必要があるとの認識を示した。写真は昨年11月撮影。(2016年 ロイター/Lucas Jackson)
[ブリッジポート(米コネチカット州) 8日 ロイター] - 米ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁は8日、米経済に対する根強い外的リスクを踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)は慎重かつ緩やかに利上げを進める必要があるとの認識を示した。
総裁は「年初からの下振れリスクは後退しているが、依然として私自身のインフレ、成長見通しに対するリスクバランスはやや下向きだと判断している」と指摘。
「金融政策の正常化において、慎重かつ緩やかなアプローチが適切だと考える」とした。
昨年12月以降、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、見通しに対するリスクのバランスについて、委員会としての総括的な判断を示せずにいる。
ダドリー総裁は、状況が悪化した際に「正当化されれば、フォワードガイダンスやバランスシート政策を活用して追加緩和を提供できると認識しつつ、政策金利を引き下げる能力は限られているため」慎重さが求められるとした。
足元ではインフレ加速の兆しが見られるが、資源安は「現時点で私が想定しているより持続的なディスインフレ圧力を示唆している可能性がある」と指摘。金融環境が再びひっ迫している状況は一段のマイナスの影響を及ぼす可能性があるほか、海外経済の成長見通しをめぐり著しい不確実性が存在すると述べた。
今年の米成長率は、第1・四半期の弱含みを踏まえ約2%と予想。失業率は現在の5%から4.75%程度に低下するとの見方を示した。
米経済の先行きをめぐっては、消費の増加や住宅活動の活発化、労働市場の緩み縮小などに言及し、比較的明るい見通しを示した。ただ長期失業者に対しては一段の支援が必要と語った。
またFRBが注目するインフレ指標が1.7%まで加速したことに勇気付けられるとしたが、今年目標の2%には届かないだろうと指摘。FRBが再び追加緩和の実施を迫られるような状況悪化のリスクを依然警戒していると述べた。
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