ニュース速報

ビジネス

中国外貨準備、11月末は3.44兆ドル 13年2月以来の低水準

2015年12月07日(月)20時44分

 12月7日、中国人民銀行発表した11月末時点の中国の外貨準備高は3兆4400億ドルで、前月末時点と比べて872億ドル減少した。写真は北京で昨年11月撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[北京 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した11月末時点の中国の外貨準備高は3兆4400億ドルで、前月末時点と比べて872億ドル減少した。2013年2月以来の低水準であり、1カ月の減少幅としては過去3番目の大きさとなった。

アナリストの間では、11月中にドルが上昇したためドル以外の通貨建ての準備高が目減りしたこと、人民銀が元下支えのためドル売りを出したことが背景との見方が出ている。

外貨準備は5・四半期間減少し続けており、第3・四半期の減少は過去最大だった。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏はリポートで「資金流出の増加は、元安観測の拡大が主な背景となっている」と指摘。「12月の米利上げの可能性が高まっていることも、中国からの資金逃避につながっている」と述べた。

コメルツ銀行(シンガポール)のエコノミスト、Zhou Hao氏はリポートで、人民銀は元の対ドル相場の下落を完全に食い止めるのではなく、元の下落ペースを制御する方針へ転換したのではないかと指摘。「8―9月のドル/元相場を振り返れば、人民銀が元の防衛のため積極的にドル売りを出し取引高が急増したにもかかわらず、安定していた」とし、「ドル/元の取引高は9月以降明らかな減少傾向をみせ、これと並行して元は緩やかに下落した。この差が示すのは、中国当局の見通しにおいて元の『管理された下落』は容認可能だということだ」と述べた。

人民銀はこれまで繰り返し、元が一段安となる理由はないとしてきた。

金準備は595億2000万ドル。10月末時点の632億6000万ドルから減った。

国際通貨基金(IMF)リサーブポジションは46億ドルで、10月の46億4000万ドルから減少した。

IMF特別引き出し権(SDR)は101億8000万ドル。10月末時点は103億6000万ドルだった。

人民銀は今年7月からIMFの「特別データ公表基準(SDDS)」に準拠し、外貨準備の公表を毎月行う方針に変更した。それまでは四半期ごとに公表していた。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院、つなぎ予算案可決 政府機関閉鎖ぎりぎりで回

ワールド

プーチン氏「クルスク州のウクライナ兵の命を保証」、

ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政

ビジネス

NY外為市場=ユーロ上昇、ドイツ財政拡張の可能性高
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴された陸上選手「私の苦痛にも配慮すべき」
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 8
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 9
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 10
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 7
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中