ニュース速報

ビジネス

スカイマーク、独立性維持なら提携視野に=デルタ日本支社長

2015年08月05日(水)22時57分

 8月5日、米テルタ航空日本支社の森本大支社長は5日午後の記者会見で、スカイマークとの提携の可能性について「日本ではパートナーがいないので、日本の航空会社との提携が悲願であることには変わりはない」と述べた。2009年12月撮影(2015年 ロイター/Lucas Jackson)

[東京 5日 ロイター] - 米テルタ航空日本支社の森本大支社長は5日午後に記者会見し、民事再生手続き中のスカイマークの再生をめぐり、デルタをスポンサーとする米航空リース会社イントレピッド・アビエーションの計画案が否決されたことを受け、「スカイマークが独立性を持って、第3(極)の航空会社として再生されるのであれば、提携相手として当然視野に入ってくる」と述べ、今後も提携候補であり続けるとの認識を示した。

デルタはこれまでも日本における提携先探しを進めていたが、イントレピッド案が否決されたことで、その計画は振り出しに戻った。同社長は、同日の債権者集会の結果について「今後は直接スカイマークに関わることはないが、日本の3大エアラインのひとつとして再生することを心より願っている」と指摘。その上で「デルタ航空にとって日本の重要性が変わることはなく、今後もサービスの拡充と国内の路線ネットワークの拡大を図りたい」と語った。

デルタ航空のマイレージ(スカイマイル)をスカイマークの国内線で使えるプログラムに関しても「こちらの方から変えるつもりはなく、維持ができるのであれば維持したい」と語った。

きょう開催されたスカイマーク債権者集会では、ANAホールディングス<9202.T>を支援企業とするスカイマークの再生計画案とデルタ航空を推す米航空リース会社イントレピッド・アビエーションの再生計画案の2案が諮られる異例の展開となった。結果は、スカイマーク案への賛成が議決者174人中135.5人、議決権総額の60.25%にのぼり、スカイマークの圧勝となった。

森本支社長は、スカイマークの大口債権者の欧州航空機メーカーのエアバスや航空機エンジンなどを手掛ける英ロールスロイス、米CITとの今後の関係について、「エアバスもCITもロールスロイスも非常に大きな取引をお互いしており、将来においても重要な取引先なので、何かひとつのことで全体が崩れるということはない」と語った。

関係者によると、きょうの債権者集会では、直前まで態度を保留してきた大口債権者のエアバスがANA支持に回ったほか、議決権総額の賛成割合からロールスロイスやCITなど他の大口債権者もANA支援案に賛成票を投じた可能性が高い。

*内容を追加して再送します。

(志田義寧、白木真紀 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中