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国連事務総長、リビア武装勢力トップと会談 内戦回避に向け
[トリポリ/ベンガジ 5日 ロイター] - 国際連合(UN)のグテレス事務総長は5日、民兵の軍事組織「リビア国民軍」を率いるハフタル司令官とベンガジで会談し、内戦再開の回避に向けて政治的解決を求めた。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国のリビアでは2011年にカダフィ政権が倒れて以降、複数の勢力が権力争いを繰り広げてきた。東部の政府と同盟を組んでいるリビア国民軍は4日、国際的な承認を受けているシラージュ暫定首相が拠点とする首都トリポリから南方約80キロの町ガリヤンに進軍し支配下に置いた。ただその後、チュニジアへつながる湾岸道路を封鎖しようとトリポリ西方約30キロの検問所を支配下に置こうとしたが失敗に終わった。
UNが支持する暫定政府の同盟軍は、ハフタル勢力の侵略から防衛する対策としてリビア北西部の港湾都市ミスラータからトリポリへ機関銃をトラックで次々と運んだ。
グテレス事務総長は、今月に予定されていた各勢力の和解会議の準備のため、今週トリポリ入りしていた。緊迫の高まりはUNにとって予想外の展開だった。
グテレス氏はツイッターで「私の目的は変わらない。軍事的衝突を避けることだ。リビア危機にとって軍事的な解決策はないとの見方を再度強調する。政治的な解決策しかない」とした。
事態を受けドイツは国連安全保障理事会の緊急会合を要請した。
ロシアはハフタル勢力を支持しないと表明。さらなる流血の惨事を阻止する政治的な解決策の交渉を後押しするとした。
過去にリビアを植民地支配したイタリアは、サルビーニ副首相が事態の展開が非常に心配だと述べた。
リビアに隣接するチュニジアでは、国防省が国境での規制を強化したと発表した。