ニュース速報

ドル上昇、米一般教書演説に注目=NY市場

2019年02月06日(水)06時05分

[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対して上昇した。市場ではトランプ米大統領が今晩行う一般教書演説で米中通商問題について新たな手掛かりを示すか注目されている。

その他の通貨では、リスク選好度が引き続き改善していることで安全通貨とされるスイスフランが下落。一方、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が金利据え置きを決定すると同時に国内外の景気に下振れリスクがあるとの認識を示したことを受け、豪ドルは上昇した。

クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は、通商問題などを巡る不確実性が高まる中、世界各国の中央銀行は金融政策について様子見姿勢を示しており、外為市場ではおおむねレンジ内での取引となっていると指摘。「中銀が断固とした動きを見せるか、もしくは通商協議などを巡る政治的な力学が明確になるまで、こうしたレンジ取引は継続する」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)の政策については、ダラス地区連銀のカプラン総裁がこの日、国内経済の見通しがつくまで金利を据え置くべきとの考えを表明。総裁はこれには数カ月かかるとの見方を示した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.22%上昇の96.064。一時は1週間ぶりの高水準となる96.12まで上昇した。

ユーロ/ドルは0.2%安。IHSマークイットが発表した1月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)改定値の総合指数が2013年7月以来の低水準となったことが重しとなった。

市場ではトランプ大統領がこの日の米東部時間午後9時(日本時間6日午前11時)から行う一般教書演説に注目。オアンダの首席外為ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏は「市場は米中通商協議がどのように進展しているのか注目している。通商問題を巡りプラスの発言があれば、ドルの支援要因となる」としている。

リスク選好度の回復が続く中、スイスフランは下落し、対ドルで11週間ぶりの安値を更新。

豪ドルは一時下落していたものの、その後大きく上昇した。

英ポンドは2週間ぶり安値を更新。IHSマークイット/CIPSが発表した1月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が2016年7月以来の低水準になったことに加え、英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡る不透明感が重しになった。

カナダドルは原油安を受け、対米ドルで下落した。

ドル/円 NY午後3時 109.97/110.00

始値 109.92

高値 109.99

安値 109.81

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1408/1.1412

始値 1.1419

高値 1.1435

安値 1.1401

ロイター
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