コラム

中国への融和路線を捨てたバイデン、これからは日本が頼りに

2021年04月01日(木)17時31分

バイデンのアジア政策の柱は、同盟国との関係を再び活性化して、ルールに基づく国際秩序と多国間貿易システムを保護・強化し、民主主義への挑戦や領土紛争での武力行使に反対することにある。これは、トランプ前政権の単独行動主義と孤立主義を明確に否定し、集団的安全保障の精神を重んじるものと見なせる。それに伴い、日本に対しても、ミサイル防衛を中心とした防衛力強化と在日米軍の施設増強を求める圧力が強まる可能性が高い。

一連の動きの先に待っているのが、バイデンにとって最初の大きな外交イベント、すなわち4月に予定される日本の菅義偉首相との首脳会談だ。菅は、バイデンが大統領就任後最初に直接対面する外国首脳となる。

第2次大戦後の70年間、アメリカはヨーロッパを世界の中心と見なし、イギリスと「特別な関係」を築いてきた。それに対し、バイデン政権は、アジアで中国に対抗することを重要課題と明確に位置付け、日本との間に20世紀の米英関係と同様の強力な同盟関係を築きたいと考えている。

バイデン政権のアジア政策が目指すのは、中国が強大な力を背景に近隣諸国に2国間関係で圧力をかけるのを押しとどめることだ。米新政権はアジアの民主主義国に対し、中国に屈服するか、巨大な専制国家と独力で対峙するかという二者択一以外の選択肢を与えようとしている。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米雇用統計「素晴らしい」、米は借入コスト減らすべき

ワールド

米が制限順守ならロシアも同調、新START失効でラ

ビジネス

FRBは当面政策維持を、生産性頼みは尚早=カンザス

ビジネス

1月米雇用、13万人増と1年超ぶり大幅増 失業率4
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story