中国への融和路線を捨てたバイデン、これからは日本が頼りに
バイデンのアジア政策の柱は、同盟国との関係を再び活性化して、ルールに基づく国際秩序と多国間貿易システムを保護・強化し、民主主義への挑戦や領土紛争での武力行使に反対することにある。これは、トランプ前政権の単独行動主義と孤立主義を明確に否定し、集団的安全保障の精神を重んじるものと見なせる。それに伴い、日本に対しても、ミサイル防衛を中心とした防衛力強化と在日米軍の施設増強を求める圧力が強まる可能性が高い。
一連の動きの先に待っているのが、バイデンにとって最初の大きな外交イベント、すなわち4月に予定される日本の菅義偉首相との首脳会談だ。菅は、バイデンが大統領就任後最初に直接対面する外国首脳となる。
第2次大戦後の70年間、アメリカはヨーロッパを世界の中心と見なし、イギリスと「特別な関係」を築いてきた。それに対し、バイデン政権は、アジアで中国に対抗することを重要課題と明確に位置付け、日本との間に20世紀の米英関係と同様の強力な同盟関係を築きたいと考えている。
バイデン政権のアジア政策が目指すのは、中国が強大な力を背景に近隣諸国に2国間関係で圧力をかけるのを押しとどめることだ。米新政権はアジアの民主主義国に対し、中国に屈服するか、巨大な専制国家と独力で対峙するかという二者択一以外の選択肢を与えようとしている。
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