- HOME
- コラム
- 韓国ソーシャルイノベーション事情
- キャッシュレス社会で韓国の銀行が大変身 カフェ併設…
キャッシュレス社会で韓国の銀行が大変身 カフェ併設に移動型店舗も登場
釜山銀行は、人が集まる場所に支店を開く「移動型車両店舗」を運営している。市場や公団地域などに支店のクルマが出向き、仕事の関係でなかなか銀行支店に行けない人のために、16時から夜まで営業する。利用者数に応じて営業時間や移動する場所を調整し、臨機応変に運営している。移動型ではあるが支店なので、口座開設、通帳発行、ATMカード発行、貸出、インターネットバンキング申請、外国為替の両替など、主にインターネットバンキングでは対応できないサービスを利用できる。
韓国の銀行が変身を余儀なくされた理由は、なんといっても銀行の営業利益が落ち込んでいるからだ。低金利により銀行にお金を預ける人が減少している。政治の不安から景気も不安定で、資金を借り入れる企業も減少傾向にある。まずは支店運営費から節約してなんとかやりくりしなければ、ということなのだろう。
もう一つは、インターネットバンキングやモバイルバンキングの普及により、銀行の店舗を訪問する利用客自体が減少していることも理由としてあげられる。みんな銀行業務をネットで済ませてしまうので、今までのように大きな支店を持つ必要がなくなりつつある。
韓国HANA金融経営研究所の調べによると、銀行店舗数は2014年末の7,398店から2015年末には7,261店になった。137店減少している。店舗数が減ったのはソウル市を中心に首都圏ばかりなので、人口減少により利用者が減少したというよりは、他の理由が考えられる。同研究所は、インターネットバンキング・モバイルバンキング、SNSを使った個人間の振り込みといったフィンテック(金融+ICTの融合)の利用が進み、銀行の店舗に行かなくても金融サービスを利用するのに何の問題もなくなったからではないかと分析している。
この筆者のコラム
韓国スマホ専用銀行kakaobankが大人気 口座急増の理由はフィンテック 2017.10.13
自由に書いたらダメ? 米国留学や就活に備えSNSの発言に悩む韓国の人びと 2017.09.22
韓国でもお一人様文化定着 旅行、ご飯も一人が気楽? 2017.09.18
温もりのある声で癒しを 感情労働ストレスを軽減させた取り組み 2017.09.10
ソウルで年に1度空襲サイレンが鳴る理由は? 韓国版防災の日「ウルジ」 2017.09.01
韓国クレーンゲーム大ブームが思わぬ方向へ 何が問題に? 2017.05.31
「国らしい国を作る」韓国・文在寅大統領に期待高まる 2017.05.18