先の『初等和聲學』修訂増補版には和声づけの例として6パターンが挙げられており、さらにそれらの応用について説明するための譜例が4パターン掲載されている。
その中の基本的な和声の3パターンについて少し説明する。前記の【譜例4】は1つ目のパターンである。最も平易な和声づけの例で、そのほとんどが【譜例1】と同様の和声進行、つまり主和音と属和音の連続となっている。
主和音は、音階の基礎となる音、音階の第1音の上にできる和音である。属和音は、主音に次いで重要な音、音階の第5音の上に構成される和音を指す。
【譜例4】よりも使用和音の種類を増やし、和音構成音の間をつなぐ経過音を交えるなど、少し変化させたのが【譜例5】だ。音楽はやや多彩になり、表情が豊かになったように感じられる。
vol.100
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