日本を代表する知識人・山崎正和の劇作家・評論家・思想家として、または政治・行政への助言者として、そして学術・教育・文化活動への貢献者としての人生を60名を超す執筆陣が「それぞれの山崎正和論」で振り返る。
目次
- <再録> 「野暮は言わない」個性(『アステイオン創刊30周年ベスト論文選』より)山崎正和
- 刊行によせて田所昌幸
- <再録>祖父の思い出(『西海医報』1950年9月号初出、荒木精之編『山崎正董』[私家版、1963年]より)山崎正和
【プロローグ】
- 人間とは何かを問い続けた生涯高階秀爾
- 山崎正和先生の仕事と思い出張 競
- 少年使節の旅――山崎正和、四十歳の出発苅部 直
- 満洲の風景、ニューイングランドの光景阿川尚之
- 知の巨人を悼む遠山敦子
- <再録>逆説で語り続けた〈自由〉(朝日新聞2020年8月23日より)鷲田清一
【第1章 創作者】
- 山崎正和という劇作家大笹吉雄
- レクイエム――世阿弥元清を勤めて松本白鸚
- 「二十世紀」渡辺 保
- 芝居屋とメタシアター内田洋一
- 正和出帆堤 春恵
- 無常と酒と柔らかさ片山杜秀
- <再録>私の関西演劇――くるみ座から大阪大学演劇学講座まで(日本演劇学会『演劇学論集』41号より)山崎正和+
藤井康生
【第2章 思索家】
- 「無常について」藤田三男
- 『鷗外 闘う家長』と『不機嫌の時代』のこと川本三郎
- 柔らかい個人主義で創る新常態近藤誠一
- 戦後日本の精神的背骨宇野重規
- おとなの個人性の時代――戦後の終ったあと白石 隆
- 稀に見る知的社交の実践家沼野充義
- アメリカの「柔らかい」政党久保文明
- 髙坂先生をはさんで中西 寬
- 二人の知識人――山崎正和と高坂正堯田所昌幸
- 中国と山崎正和方 明生
- わが生涯の主題岡本隆司
- 歴史教育なんていらない林 晟一
- 先生との勉強会野澤 聡
- 時代の手ざわり河野通和
- 担当編集者として宇和川準一
- うかがいそびれたこと小林 薫
- <再録>鋭く感じ、柔らかく考えてきた三十年(『アステイオン』84号より)山崎正和+
苅部 直
【第3章 参加する観察者】
- ある政治的人間像――〝地政学的位置〟の観点から読み解く御厨 貴
- 言葉のパノラマに目を見張り耳を澄ます牧原 出
- 先生との対話北岡伸一
- 優れた政治感覚の文人五百旗頭 真
- 山崎正和氏を悼む青木 保
- 現世を舞台として安西祐一郎
- 私の後悔西 正典
- 憂国の士舩橋晴雄
- 地域に生き、グローバルに考える――地方大学の学長として櫛田 薫
- 多元性の統一を求めた〝文化制度設計者〟鹿島 茂
- 「柔らかい個人」――盟友と巡り会えた幸運ヴォルフ・レペニース
- ビールを片手に語りあった夜マーク・リラ
- Correspondenceの挑戦遠藤 乾
- 思い出すことども宮 一穂
- 『おんりい・いえすたでい'60s』の思い出片山 修
- 反ポピュリズム論の先見性村山正司
【第4章 知の演出家】
- <鼎談>次世代から見た山崎正和とその時代(「国際政治チャンネル」2020年8月28日放送より)池内 恵+
細谷雄一+
待鳥聡史
- 大阪大学の山崎先生天野文雄
- 恩師 山崎先生林 公子
- 震災を乗り越えて――文化力による井戸敏三
- 芸術文化センターの礎を築かれたオリジネーター藤村順一
- 兵庫への思いを受け継いで佐渡 裕
- 『GHETTO/ゲットー』の頃中谷友和
- <再録>大文字の人間ドラマ(『悲劇喜劇』2020年11月号より)栗山民也
- 「考えるを考えるが学問で......」宮野公樹
- 永続するサロン、サントリー文化財団鳥井信吾
- お見通し渡邊八郎
- 「学」と「芸」を架橋する人材を育てる猪木武徳
- 地域へのまなざし小島多恵子
- 地域に寄せる熱意に励まされ小泉 博
- 人と本との出会い永井伸和
- 一〇一人目として生きていく神谷竜介
- 演出家的教育者の後ろ姿宮武実知子
【エピローグ】
- 山崎正和とダニエル・ベル三浦雅士
- <再録>20世紀末の危機と希望――「市民社会(シヴィル・ソサエティ)」の命運(『アステイオン』75号より)ダニエル・ベル+
山崎正和
- <再録>市民社会(シヴィル・ソサエティ)の現代的意義――山崎正和氏への手紙(『アステイオン』75号より)ダニエル・ベル
- <再録>25年遅れの返信――ダニエル・ベル氏の霊前に(『アステイオン』75号より)山崎正和