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ワールドカップ「退屈」日記

スタジアムは燃えていない

2010年06月15日(火)20時36分

 カメルーンには勝ったけれど、この試合ではっきりわかったのは、南アフリカに来ている日本人が非常に少ないということだ。

 僕が買ったチケットは、FIFA(国際サッカー連盟)からそれぞれの出場国に割り振られた枠のものだ。周辺のブロックも丸ごと日本人ファン向けに売られているはずなのだけど、これがもう本当にガラガラなのだ。

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 バッグを隣の席に起き、前の座席に足を乗せて見る。こんなワールドカップは初めてだ。まだ芝生だったころの神宮球場の外野席みたいな、まったりした雰囲気である。

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 日本のファンは数千人はいたのだろうが、現地に住んでいる人たちも多かったようだ。僕がハーフタイムに話をした日本人男性の2人組は、どちらもヨハネスブルクに住んでいて、「日本人会の人がたくさん来ている」と言っていた。話を聞いた男性の1人は、サッカー観戦自体が初めてだという。「だから応援の仕方もわからないんですよ」

 昨夜からホテルのネット回線がダウンしている。町にはインターネットカフェなどないので、この試合が日本でどう報道されているかをチェックできていない。でも、もし「日本人ファン、熱く応援」などという報道があるなら、それはちょっと違う。この試合にかぎっていえば、スタジアムは熱く燃えてはいなかった。

 日本のみなさん、今からでもこちらに来ませんか。全然危なくなんかないですし、南アフリカの人たちはとてもフレンドリーです。オランダ戦とデンマーク戦のチケットがご入り用なら、僕の手元にも余っています。抽選で当たりすぎたんです。

*原稿にする前のつぶやきも、現地からtwitterで配信しています。

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BLOGGER'S PROFILE

森田浩之

ジャーナリスト。NHK記者、Newsweek日本版副編集長を経て、フリーランスに。早稲田大学政経学部卒、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)メディア学修士。著書に『スポーツニュースは恐い』『メディアスポーツ解体』、訳書に『「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理』など。