人気料理はゴルメサブジ(ハーブシチュー)、フェセンジャン(クルミとザクロのシチュー)、ゼレシュク・ポロ・バー・モルグ(バーベリーと鶏肉の炊き込みご飯)、ターディッグ(お焦げご飯)、それにもちろんケバブだ。
食事のお供にはヨーグルトドリンクのドゥーグを。何よりおいしいシチューは各家庭の手料理のものだが、ありつくのは難しくないはず。イラン人はもてなし好きな国民だから、滞在中に夕食に誘われる機会が少なからずあるはずだ。
イランを旅行してペルシャ風ピザを食べないというわけにもいかないだろう。イラン人がピザにケチャップを掛けているのに眉をひそめる人もいるかもしれないが、これが驚くほどおいしい。
ホームシックになったアメリカ人のために、なんちゃってアメリカ式ファストフードもある。マクドナルドさながらの「スーパースター」や「ケンタッキーハウス」(ケンタッキーフライドチキンとは無関係)などだ。
イチ押し 巨大な串刺しケバブが味わえるテヘランのアルボルズレストラン、マシャド郊外のシャンディズレストラン、テヘランのハイダサンドイッチ。
大盛況のアートシーン
故ホメイニ師の肖像か、アメリカ国旗にどくろを重ねた絵か。イランのアート作品がそんなものばかりだと思ったら大間違いだ。イランのアート界はにぎわっており、数々のギャラリーで伝統芸術からモダンアートまでさまざまな作品に出会える。
テヘラン現代美術館はジャクソン・ポラックやピカソ、アンディ・ウォーホル、マルク・シャガール、ヘンリー・ムーアら欧米の有名アーティストらによる推計25億ドルに上る作品を所蔵している。
公共空間のアートにも注目だ。地下活動を続けるグラフィティアーティストのブラックハンドやA1oneらの作品がさまざまな場所で見つかる。
イチ押し じゅうたん博物館(米大統領らの肖像を描いたペルシャじゅうたんも)、国立宝石博物館(世界最大のピンクダイヤモンドを所蔵)、バーンク教会(聖書の言葉が書かれたアルメニア人の髪の毛や世界最小の聖書が展示されている)。
絶景のスキーリゾート
中東には砂漠が延々と続いているイメージが植え付けられているかもしれないが、この国にも雪は降る。冬にテヘランを訪れることがあれば、1時間ほどで行けるアルボルズ山脈にあるスキーリゾートは旅程に入れるべきだ。