だが、どんな泡でもいいわけではない。フィジックスのサーバーは音波でビールを「撹拌する」ことで、小さなきめ細かい泡を密集させる(手で注いだビールの泡は、大きさも形もまちまちだ)。小さなきめ細かい泡は、濃厚でクリーミーな口当たりになる。
とはいえ、これで本当にビールがうまくなるのか? 「多少だが味わいは変化する」と、ドロップ・イン醸造所(バーモント州)の醸造責任者スティーブ・パークスはうなずく。「泡は苦みを凝縮させる。クリーミーな泡を通してビールをすすると、わずかに酸味と苦みが和らぎ、キレが少し増すはずだ」
その味わいが好きかどうかは人それぞれだが、確実に「見た目はよくなる」と、パークスは言う。僕も試してみたが、確かに見た目はうまそうになった。
肝心の味はといえば正直、僕には違いがよく分からない。でも、ぐんとうまくなったと言い張る同僚もいる。最初に言ったとおり、やっぱり僕は味にうるさい男じゃないのだ。
[2015年7月14日号掲載]
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