関連グッズの販売などビジネス的センスも抜群のシモンズ Mario Anzuoni-REUTERS
[2018年2月13日号掲載]
<キッスをビジネスとしても大成功させたG・シモンズが語る。女性と超豪華ボックスセット、そして神のエゴと虚栄心>
結成45周年にして、相変わらずバリバリ現役のヘビーメタルバンドのキッス。そのフロントマンであるジーン・シモンズ(68)は、デビュー前にニューヨークで小学校教師をしていたこともあるインテリだ。
だがその経験から、「住宅ローンや資本主義、結婚や離婚のコスト」つまり「重要なこと」を教えない学校は役立たずだと確信したという。そして自ら本を書くことにした。
その8冊目となる『権力について──俺が権力を得るまで、そしてあなたがもっと権力を手に入れる方法』が、昨秋刊行された。「ズボンのポケットに入れて、どこにでも持ち歩ける」手引書だという。「トイレでも、飛行機でも、列車でも、すぐに読める本だ」
シモンズは敏腕ビジネスマンとしても知られる。おかげでキッスは関連グッズの販売だけでなく、カリブ海で「キッス・クルーズ」、ラスベガスで「キッス・リムジン」を展開するなど、音楽活動以外でもがっぽり儲けている。
そんなシモンズは、女性や宗教についてどう考えているのか。ステージ上でのキャラクターは素なのか演技なのか。本誌ジェフ・パーラーがシモンズに話を聞いた。
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――あなたは酒もドラッグもやらないが、女遊びは相当やってきたと思う。女性の力についてどう考えているのか。
女性には、本人の意思とは無関係に注目される側面がある。その肉体だ。だから女性が力を手にしたいなら、自分が性的な対象として見られていることを理解して、自分の体を最大限に利用するべきだと俺は思う。モデルはそうしている。
もちろん、片っ端から男と寝ろと言っているわけじゃない。そういう女性もいるけどね。「私はリッチな人と結婚したい。だからこの体を取引材料として使う」って。それも結構だ。俺は、持って生まれた長い舌が注目を集めたから、それを最大限に利用した。それと同じだ。
――その考え方は昨今のご時世ではあまり支持されなさそうだ。性的に奔放な女性に関してダブルスタンダードがあると思うか。
ああ、あると思う。総じて男は性的な魅力が重視されることはないが、女性は違う。本人がそれを望んでいなくてもね。尻軽な女性は、そうでない女性たちから非難されるが、男の場合は遊んでいても、そのせいで他の男から非難されることはない。こういうダブルスタンダードは昔からあるものだ。俺が作ったんじゃない。
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