貧困と汚職と部族争い──アフリカはこれまで、そんなイメージでばかり語られてきた。だが今のアフリカは、世界で最も経済が急成長している大陸だ。
ファッション業界も例外ではない。中産階級の購買力が高まるなか、アフリカ各地のデザイナーが腕を競っている。アフリカで開催されるファッションショーの数も増加の一途だ。モデルたちにとっても大きなチャンスだ。南アフリカを拠点に活動するケースが多いが、第2のナオミ・キャンベルやアレック・ウェック(南スーダン出身)を夢見て欧州やニューヨークを目指す者もいる。
アフリカの富裕層の多くは海外ブランドに目がないが、地元デザイナーの台頭も著しい。彼らのデザインは強烈にカラフルで、地域によって異なる「アフリカらしさ」を存分に発揮。職人の技や服の品質ではまだ欧州の老舗ブランドにかなわないが、彼らに追い付こうと日々研鑽を積んでいる。
そんななかから南アフリカのデビッド・トレールのように「教祖」的なデザイナーも生まれ始めた。明るさと活力みなぎるアフリカのファッションシーンに差し込む光はまぶしい。
Photographs by Per-Anders Pettersson
<本誌2014年1月14日号掲載>