原発事故以降、科学への不信感が高まっている。科学は再び社会からの信頼を取り戻せるか、社会は科学をどのように活かすべきなのか。いま改めて、科学とは何か、科学はどうあるべきかを歴史も踏まえて考える。
目次
【特集】
- 巻頭言
- 科学技術の行く手を阻むものは何か中島秀人
- つなぐ人材・見渡す組織――複合リスクマネジメントの課題と対応城山英明
- 社会のなかの科学者――二つの今日的課題横山広美
- つきまとうリスクと向き合う――定量的思考の必要性岡本浩一
- 3・11の科学思想史的含意金森 修
- 「二つの文化」を超えて――科学史の視点から野澤 聡
- エンタープライズとしての科学技術小林傅司
- 知識の探求における公益と私益上山隆大
【論考】
- アマチュアリズムの政治と科学――日本野鳥の会の戦中・戦後史牧原 出
- 支え合う日本人と震災復興――政治経済学の視点から田中愛治
【地域は舞台】
- 集落に人を呼び込む祭りの力――秋葉祭り(高知県吾川郡仁淀川町)桑田瑞穂
【世界の思潮】
- 市民社会から見る日韓李 承赫
- 二極化するアメリカアレクサンダー・スティル
【時評】
- 「海ゆかば」の絵芳賀 徹
- ラファエロの通信簿高階秀爾
- 耳で聴いたオリンピック―― 一九六四年・聴覚文化の変容渡辺 裕
- サハラのトワレグ族藤森照信
- カネタタキ奥本大三郎
【連載】
- リズムの哲学ノート――第一章 リズムはどこにあるか山崎正和