最新記事

投資

FXは難しく高度、なぜ投資の初心者がやりたがるのか?

2018年6月26日(火)20時47分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

為替取引は、例えば、誰かが持っているドルを買って、自分が持つ円を売るという取引ですから、誰かが利益を得れば、反対の売買をした誰かがその分だけ損をしています。参加者全員の損得を足し合わせた数字は常にゼロとなりますが、こうした取引を経済学の世界ではゼロサムゲームと呼びます。つまり、勝ったか負けたかしか存在しないわけです。

これに対して株式投資は、投資をした人が必ず損をする仕組みにはなっていません。

投資した企業が成長して時価総額が増えれば、投資した人全員が得をすることになります。一方、株価が下がってしまえば、全員が損をするというパターンもあり得るわけです。ただ、基本的には経済成長がストップすることはありませんから、すべての銘柄の動きを総合した場合には、株式投資はそれなりの確率でプラスの結果が得られます。

誰かが勝って、誰かが負けるわけではありませんから、株式投資はFXと比べて投機性は低いと判断することができます。

もっとも、株式投資にもいろいろな種類があります。1日に何度も売買を繰り返すような、いわゆるデイトレードの場合、限りなくゼロサムゲームに近づいていきます。

投資の初心者は、FXの前に株式投資を経験することをお勧めします。そして、株式投資の中でも、短期取引ではなく中長期の取引を基本に据えた方がよいでしょう。

※第5回:子供がスマホを壊しても、合理的に考えない方がいい


『30年後もお金に困らない!
 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス

※当記事は2016年9月17日にアップした記事の再掲載です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中