映画の中では、国連監視団の6人のメンバーがようやくホムスを訪れるが、待ちわびていた住民の訴えにろくに耳を傾けず、たった30分で滞在を切り上げる。「彼らはまるで観光客のようだった」と、デルキは言う。
デルキは、バセットの友人、24歳のオサマにも焦点を当てた。オサマは有名な市民カメラマンで、インターネットで映像を公開してホムスの現状を世界に伝えようとする。平和主義者の彼は、撮影中に当局に拘束された。その後どうなったかは不明だ。
デルキの知る限り、バセットは今、テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に包囲されたホムス北東の郊外にいる。この映画が撮影された時点ではまだ存在していなかったISISの台頭で、シリア情勢はさらに錯綜を極めている。
自由を求めて立ち上がった若者たちが残酷な戦闘に身を投じる。その軌跡をつぶさに追った映像は重い問いを突き付ける。
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