パリ・モンパルナス駅からレンヌ駅まで、フランス高速鉄道TGVで約3時間。そこからモン・サン=ミシェル行きのバスを使って、さらに1時間半ほどで目的地に到着します。
島内にもホテルはありますが、ワタクシは心ゆくまで全貌を堪能すべく、奮発して、内陸側に建つ四つ星ホテルを選びました。湾に面したホテルは、バルコニーからモン・サン=ミシェルが一望できるという触れ込みでしたが、それは一部のお高い部屋に限るようで、ワタクシの部屋のバルコニーは、ほとんど雑木林に立ち塞がられ、草木の脇から申し訳程度に見えるだけでした。
特等席は、バス乗り場
ホテルからモン・サン=ミシェルまでは約2キロ。歩いても行けますが、無料バスも巡回しています。実のところ、このバス乗り場から見るモン・サン=ミシェルが最も美しく、おまけに一切お金のかからない最高のビュー・ポイントだと思いました。
島内に入ると、修道院までのメインストリートにはレストランやホテル、土産物屋が立ち並んでいます。その先には急な階段があり、それを登ると、修道院の入口が現れます。修道院は、主にゴシック様式ですが、内部は中世のさまざまな建築様式が混ざり合っており、数世紀に及ぶ増築と、戦争による軍事施設化などの歴史が感じられます。
中を歩いてみると「本当に現役の修道院?」と思えるほどガランドウで、いまひとつ見応えに欠けます。ここでのハイライトは、中庭を囲む回廊ではないでしょうか。明るく開放的で美しい回廊は、薄暗い修道院の中とは対照的に、気分を晴らしてくれます。
名物にうまいものなし?
観光地に行けば、ご当地グルメを楽しみたいもの。モン・サン=ミシェルでは、プレサレ羊とオムレツが有名です。満潮にさらされて塩分を多く含んだ草を食べた羊は、ひと味違うらしいのですが、羊肉が苦手なワタクシは、オムレツを楽しむことにしました。その昔、はるばるやってきた巡礼者に精をつけてもらうため、当時貴重な卵を使って作ったのが始まりだとか。
発祥の店だという有名店が、島の入口「王の門」のすぐ近くにありますが、この店でオムレツを頼むことはオススメしません。なぜなら、卵3個程度のオムレツが50ユーロ(!)近くもするからです。それに、ここはフランス。水だって有料で、チップも合わせれば、シメて1万円!
それでも美味しければ、なんとか正当化できますが、お世辞にも美味しいとは言えません。多少の塩・こしょうは入っているかもしれませんが、一般的な日本人には無味に感じられます。