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ソニー・ハッキング事件の狙いは北朝鮮パロディ映画を葬ることだった?

Sony Cancels The Interview Christmas Release Following Terror Threats

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 ソニー・ピクチャーズは公開中止発表の前日、劇場チェーンが上映中止を決めても、契約を盾に「抗議するつもりはない」という声明を出した。それを受けて、大手劇場チェーンのリーガル・エンターテンメント・グループ、AMCエンターテインメント・ホールディングズ、シネマーク・ホールディングズ、カーマイク・シネマズが上映中止を決定した。連邦当局はソニーに対するサイバー攻撃とその後のテロ予告について捜査を進めていて、劇場チェーンは事件の全容が明らかになるまで公開を見合わせる意向だ。

『ザ・インタビュー』は、セス・ローゲンとジェームズ・フランコ演じるジャーナリストがCIAの指令を受けて、北朝鮮の最高指導者、金正恩の暗殺計画に乗り出すというストーリー。連邦政府の捜査官もソニーの調査チームも、ハッカー攻撃を行い、ソニーの内部文書を大量に流出させたのは北朝鮮と関連があるグループとみている。ハッキング後にネット上に出されたテロ予告には、こんな脅迫文句が並ぶ。「ソニー・ピクチャーズエンターテインメントがいかにひどい映画を作ったか、もうじき全世界が思い知らされることになる。恐怖が世界にあふれるだろう。思い出すがいい、2001年9月11日に何が起きたか」

 米国土安全保障省は16日、劇場への攻撃準備を示唆する形跡は見られず、テロ予告は信憑性を欠くとのコメントを出した。

 16日に上映中止を発表した4社の劇場チェーンは観客動員数で大きなシェアを占める。北米の映画館およそ4万館のうち、この4社の系列館は1万8000以上にのぼる。

 真っ先に上映中止を決めたのは、2000館余りを傘下に置く4番手の大手カーマイクで、関係者の話によると、直接ソニーに中止決定を伝えたという。他の3社は全米劇場主協会の仲介で電話で協議し、中止を決めた。今回の一件について同協会は次のような声明を出した。「われわれは事件の責任を負う犯罪者たちが1日も早く逮捕されるよう祈っている。それまで個々の劇場主がこの映画の上映を延期することはやむを得ない措置である」

© 2014, Slate

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