新作映画でも名誉挽回は難しい?
世間の同情も欲しいようだ。最近もデービッド・レターマンのトーク番組で、撮影で1日17時間も働いていると大げさに訴えた。「これを言うのも、彼ら(『グレイズ』の製作陣)に恥を知ってほしいから」と。その目的は? 自分を降板させないための予防線? なにしろ失業率が10%近いアメリカでは、誰がいつ職を失ってもおかしくない。
ハイグルは映画でも健闘してきた。『無ケーカクの命中男』は大当たり、『幸せになるための27のドレス』(08年)もそこそこヒットした。今年夏公開の新作はロマンチックコメディー『男と女の不都合な真実』。しかし、名誉挽回には役立っていない。
ハイグルの役は、ローカル局でニュース番組を担当するお固いプロデューサー、アビー・リクター。ところがジェラルド・バトラー演じる恋愛相談番組のパーソナリティーが自分の番組に参加することになり、聖域が侵されたと激怒。しかし......ご想像のとおり、2人は恋に落ちて熱気球で空に飛び立っていく。めでたしめでたし。
こっちはハイグルのキャラクターに少しも共感できないから、めでたくもなんともない。アビーは映画の前半はとげとげしいだけで、後半は頭が悪いイケイケ女。その中間がない。素顔のハイグルのように、言い過ぎるか黙るかのどっちかしかできない。
女優であるならば、もっと表現力を磨いたほうがいい。
[2009年8月26日号掲載]
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