かつて自在に相互乗り入れができたアカデミズムとジャーナリズムは、それぞれの発展とともに分化し、分断を深めてきた。両者を仲立ちしつつ刷新する「アカデミック・ジャーナリズム」を、激変する情報社会環境の中でいかに維持・発展させてゆくか。
目次
【特集】
- 巻頭言武田 徹
- 数と独立――棲み分ける批評Ⅲ東 浩紀
- 「アカデミ・ジャーナリズム」の試み大治朋子
- ポピュラー・サイエンスという方法下山 進
- 「専門知」を「臨床知」で乗り越える渡辺一史+
小川さやか+
武田 徹
- 一人の読者から社会は変わる――ネット言論空間の可能性芹沢一也+
武田 徹
- アカデミック・ジャーナリズムの「高度成長」――粕谷一希の「中公サロン」編集術山本昭宏
- 知のアリーナを支える――論壇記者座談会大内悟史+
小林佑基+
鈴木英生+
田所昌幸+
武田 徹
- 「良き仲間」としてのアカデミック・ジャーナリズム開沼 博
【論考】
- アメリカはゼロエミッションを実現できるか――二回梯子を外された日本人が知っておくべきこと手塚宏之
- 統計学と機械学習から見る「正当化」のあり方大塚 淳
- 「私」への懐疑に耐えた文明史家――我が師・野田宣雄を回想して佐藤卓己
【世界の思潮】
- 「民主主義本ブーム」を読み解く宇野重規
- ベラルーシの二世代──アレクシエーヴィチとフィリペンコ奈倉有里
- 「無関心なエゴイズムというウイルス」との戦い山本芳久
【時評】
- ファッションに見る日本的美意識高階秀爾
- 百十一年目の《われは海の子》――「唱歌」の現在地渡辺 裕
- 国立競技場の建築について藤森照信
- G20デジタル課税合意の歴史的意義と今後の課題森信茂樹
- 「子守国家」への警戒、英国で「自由の日」を考える金成隆一
- 新型コロナの想い出奥本大三郎
- 土足の限界井上章一
- 生活文化を重要無形文化財に熊倉功夫
【写真で読む研究レポート】
- 「敦煌」が日本人のあこがれだった時代榎本泰子
- 隠された手を求めて伊藤亜紗
【連載】
- 夢を種蒔く人・厨川白村――左足切断そしてアメリカ留学(上)張 競
- 平成史――世界のなかの日本―国際衝撃五百旗頭 真