北朝鮮ハッカーは2017年ごろから暗号資産交換所へのハッキングを始めるようになる。この年末から翌年初めにかけて価値が急騰するバブル状態だった。暗号資産の価値にいち早く目をつけていたことになる。
新たなテクノロジーによる社会のデジタル化は一方で、サイバーテロにつながる様々な弱点を生み出す。北朝鮮ハッカーはそこに「蟻の一穴」を見つけ出し、リアル社会の犯罪ネットワークなどと連携しながら、サイバー攻撃を成功させている。
本書のプロローグにはこうある。
「北朝鮮が関係するとされるサイバー攻撃を知ることは、現代の犯罪世界を理解することでもある」
須藤龍也(Tatsuya Sudo)
1994年に朝日新聞社に技術職で入社。新聞制作システムの開発や運用に従事した後、99年に記者職に転向。東京本社社会部などを経て2015年から現職。LINEの情報が中国や韓国からアクセスできる状態にあった問題をスクープし、2021年度の日本新聞協会賞を受賞。このほか三菱電機へのサイバー攻撃(2020年)、神奈川県庁のHDD流出・転売事件(2019年)なども特報した。
『ラザルス:世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ』
ジェフ・ホワイト[著]/秋山 勝[訳]
草思社[刊]
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vol.101
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