イギリスのコロナ変異種「B.1.1.7」、死亡率30%高い恐れ データから読む新たなリスク
ただ、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の感染症数理モデル教授、ジョン・エドマンズ氏は25日、分析結果の不確実性について意見を問われ、分析結果は「統計上有意」であり真剣に受け止めるべきだと述べた。
エドマンズ氏は「かなり多くの科学的証拠がある。意義は小さくない」とし、一朝一夕ではなく「われわれが数週間かけて取り組んだ」結果だと擁護した。
死亡率が高まる仕組みは分かっているか
科学者らはその点について、まだ確信を持っていない。だが、解明に取り組んでいる。
PHEのホプキンズ氏は「この変異種の科学的証拠はまだ出てきている途中であり、仕組みを完全に理解するための研究は続いている」と述べた。
しかし、この変異種は、人間の細胞により強く結び付くことができるようにウイルスの一部が変異したという点は分かっている。
NERVTAGの座長を務めるオックスフォード大学のピーター・ホービー新種感染症教授は「実際に観察されている感染率上昇および、可能性として考えられる重症化リスク上昇の両方の原因として、これが生物学的に見て最も妥当な説だ」との考えを示した。
レディング大学のサイモン・クラーク細胞微生物学助教授は、より強く人間の細胞と結び付くという特徴が「免疫システムの強い過剰反応を引き起こし、これが症状の最悪化を招き、死に至らしめる可能性」を指摘した。
死亡率上昇はどのくらい懸念すべきか
死亡率が推計で約30%高まるという分析の1つを主導したロンドン大のエドマンズ氏は、この科学的証拠について「非常に深刻な状況暗転だ」と指摘。「このウイルスは非常に深刻なものであり、非常に深刻に受け止める必要がある」との考えを示した。
一方、PHEは書面で、(全ての年齢グループにわたる)新型コロナ感染1回当たりの死亡の絶対リスクは「新たな変異種でも従来型でも、依然として低い」と強調している。
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