イギリスのコロナ変異種「B.1.1.7」、死亡率30%高い恐れ データから読む新たなリスク
英国の科学者が、同国で見つかった新型コロナウイルス変異種について、感染力が高いだけでなく死亡率が従来型より約30%高い恐れがあるとの見方を発表した。
「B.1.1.7」と呼ばれるこの変異種は、英国で広がっている他の型に比べて感染力が最大70%高いとされ、既に世界各地でも感染が確認されている。米公衆衛生当局者らは、これが3月までに米国で最も支配的な変異種になる恐れがあると指摘している。
英科学者の新たな科学的証拠とは
死亡のリスクの科学的証拠は、英政府の諮問機関である「新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ(NERVTAG)」が示した。同一のデータ集合体を使った4種類の別々の研究に基づいている。こうした研究は、地域住民のウイルス検査のデータをコロナ死者と関連づける。
分析結果は研究ごとにわずかに異なっていたが、いずれも「B.1.1.7」変異種に感染した人の死亡率が、英国の他の型に感染した人々よりも高いことを示した。
「B.1.1.7」の方が死亡率が低いことを示す分析結果は皆無だった。
NERVTAGはこの結果を1つのモデルにまとめ、同モデルが平均的な死亡率のリスクを推計した結果、約30%高まるとの数字になった。
科学者らは分析結果の確度をどの程度と考えているか
英政府のパトリック・バランス首席科学顧問は22日、様々な小規模情報の集合からデータを取ったため、死亡率の推計には一定の「不確実性」があると述べた。
イングランド公衆衛生局(PHE)の専門家、スーザン・ホプキンズ氏は暫定的な推計値について、変異種感染の流行が確認されている英国の人口のうち、比較的小さな割合を分析した結果だと説明。「全てのデータ源ではなく、一部のデータ源」から得られた科学的証拠が死亡率の高まることを示している状態だと述べた。「まだ、全体像が見えていない可能性はある」とした。
レスター大学の臨床ウイルス学者、ジュリアン・タン氏も、データ量が少ないため、結果は「今後大きく変化する可能性が残る」と述べた。
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