ミャンマー若者世代、堕ちた偶像スー・チーに反旗
言論の自由
文民政府がますます独裁的になっており、議会で圧倒的な多数を占めているにも関わらず、反体制派の弾圧に使われていた植民地時代の法律を廃止せず、市民社会に対する締め付けを厳しくしている、と活動家は批判する。
ここ数カ月で幾度かの抗議活動が行われた。5月には商都ヤンゴンで反戦行進が行われ、最後には小競り合いが起きた。違法デモ容疑で起訴された17人の中にThinzar Shun Lei Yi氏が含まれていた。彼らの公判はまだ続いている。
「センシティブな問題を掲げることは禁止されており、デモ参加者は逮捕され、殴打される」と彼女は言う。「国民民主連盟は、民主を名乗るのであれば、民主主義と人権を尊重しなければならない」
言論の自由を主張する団体「Athan(ビルマ語で声という意味)」によれば、スー・チー氏らが政権を握ってから、44人のジャーナリストと142人の活動家が裁判にかけられているという。
その中には、ロヒンギャに対する迫害問題を取材していたロイターのワ・ロン記者(32)とチョー・ソウ・ウー記者(28)も含まれる。彼らは植民地時代に制定された国家機密法違反で起訴され、9月に禁固7年の判決を受けた。
2人はこの判決について、警察による陰謀の証拠と犯罪行為が立証されていないことを根拠としてヤンゴンの上級裁判所に控訴した。スー・チー氏は9月、2人の拘束は表現の自由とは関係ないとの見方を示している。ミャンマー政府は、裁判所は政府から独立していると述べている。
Athanの創設者であり、詩人で活動家のMaung Saung Kha氏も、5月の抗議行動の際にThinzar Shun Lei Yi氏とともに逮捕されたデモ参加者の1人だ。それから4カ月たった9月、2人は別のデモ開催に協力した。今度のテーマは「言論の自由」だった。
今もNLD党員のMaung Saung Kha氏は、群衆を前にして、伝統的にNLD議員が着用しているオレンジのシャツを着て、軍服に似せたグリーンのジャケットをその上に羽織った。彼は手にした国営紙「ザ・ミラー」を丸め、周囲に集まったジャーナリストらを叩く仕草を見せた。
「政府はその権力を、国民の権利を守るために使っていない」と彼はロイターに語った。
NLDの広報担当者Myo Nyunt氏は、政府は非政府組織と協力しているが、その活動はケースバイケースで吟味する必要がある、と語る。
「安全保障や民族間で賛否の分かれるテーマ関連の活動でなければ受け入れる」と彼は言う。「私たちは民主主義を推進しており、非政府組織(NGO)の役割も認めている。だが、NGOに独立性がなく、背後の支援者に影響されているのではないかという懸念を抱いている」