EUがイギリスに「ワクチン戦争」を発動 ワクチン供給を脅かすエゴ剥き出しの暴挙

2021年1月30日(土)09時00分
木村正人

これが抜け駆けと言えるのだろうか。EUの暴挙はサプライチェーンを寸断し、ワクチン供給をさらに混乱させるだけと言わざるを得ない。

米バイオ製薬ノババックスは28日、開発中のワクチンについてイギリスで実施した第3相試験の結果、予防効果が89.3%だったと発表した。英変異株に対する予防効果も85.6%だったという。米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンも29日、開発中のワクチンについて有効性が66%だったと発表した。急がなければならないのはワクチンの承認と生産、供給である。

しかしEUのワクチン供給が遅れる中、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相はロシアのワクチン、スプートニクVを200万回分契約するとともに、中国国有製薬大手の中国医薬集団(シノファーム)のワクチン購入で合意した。EUは自らの加盟国からも信頼されていない。

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