武闘派イスラーム主義台頭の背景には

2012年11月1日(木)15時38分
酒井啓子

 どうも欧米の知識人は、イスラーム世界で起きていることとなると、つい「三日月」を名前に使いたくなるらしい。「アラブの春」後のアラブ諸国で、最近サラフィー主義が台頭していることを評して、アメリカの中東研究者ロビン・ライトは、こう表現した。「新しいサラフィー三日月地帯」。地中海沿岸のシリアからエジプト、チュニジア、リビアといったスンナ派の国々で、サラフィー主義者が起こす暴力的事件が増えていることが、この表現の背景にある。

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