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「エホバの証人」を投獄、市民権もはく奪(アフリカ・エリトリア)

2018年6月5日(火)17時47分
クリスティナ・マザ

ベラルーシのミンスクで開かれた集会に集まったエホバの証人の信者たち(2015年) Vasily Fedosenko-REUTERS

<執拗な「エホバの証人狩り」はロシアだけじゃない。エリトリアでも差別や無期限拘留などの弾圧が行われている>

米国務省は5月29日、世界の宗教の自由に関する2017年版の報告書を発表した。それによると、キリスト教徒に対する弾圧で知られるアフリカのエリトリアで現在、宗教団体「エホバの証人」の信者少なくとも53人が投獄されている。獄中でのひどい扱いが原因で死亡した者もいるという。

エリトリア政府は、テワフド(コプト教、エリトリア正教とも呼ばれる)、カトリック教会、福音ルーテル教会とイスラム教の4つの宗教を公認している。だが公認しているキリスト教徒までもが頻繁に弾圧を受けており、エホバの証人のような非主流派の信者たちは絶えず迫害や差別の対象となっている。

【参考記事】「エホバの証人」を執拗に狩るロシア

1993年のエリトリア独立以来、権力の座に居座っているイサイアス・アフェウェルキ政権は、1994年にエホバの証人の信者たちの市民権をはく奪。独立の是非を問う国民投票に参加しなかったことや、兵役を拒否したのがその理由だった。これ以降、エホバの証人の多くの信者が信仰や兵役の拒否を理由に投獄されている。

米国務省は報告書の中で、2月に複数のNGO(非政府組織)から受けた報告として、2009年に逮捕されて2015年までメヒティル収容所に収容されていた信者のツェヘイ・テスファマリアムが、2016年11月に死亡していたことを明らかにした。テスファマリアムが収容所内で病気になった際に、当局が治療を拒んだとされる。

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