最新記事

サイエンス

欧米人の知能は100年前より低下した

知能指数に関する最近の研究結果が示唆するのはかなり失礼な事実

2013年5月29日(水)17時38分
サラ・ウォルフ

先進国病? 知能の高い女性ほど子供を生まないせいで全体の足を引っ張っているとか Albert Gea-Reuters

 私たちの知能は1世紀前より低下している――こんな話を裏付ける研究結果がこのほど発表された。

 知能や心理学に関する学術誌、「インテリジェンス」誌(オンライン版)に先週掲載された論文によると、欧米諸国の人々の知能指数が過去100年間で、平均14.1ポイント低下したという。

 この研究を行った科学者たちは、被験者が視覚的な刺激を受けてから反応するまでの時間を計測した1889年から2004年までのデータを使って、人間の一般知能の変化を分析した。刺激に対してより早く反応するほどアタマがいい、ということらしい。

「単純反応の速度による測定は、一般知能の高さと強い相関関係にある。そして、認知についての初歩的な計測にもなる」
 
 この研究を行ったブリュッセル自由大学のマイケル・ウッドリーや、アムステルダム大学のヤン・テ・ナイゲンハウス、アイルランドにあるユニバーシティ・カレッジ・コークのレーガン・マーフィーは、発表した研究論文でこう述べている。

 彼らの研究結果によると、我々の一般知能は10年ごとに1.23ポイント低下しているという。では、その原因は何か。

 これまでの研究では、知能指数の高い女性ほど出生率が低いことが原因の1つとみられている。裏返せば、知能指数が低い女性が世界の人口増を支えていることが、世界の平均的な知能指数の低下に影響しているということ。

 何とも失礼な話だ......。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中