「男性に守られるだけのヒロイン像」は絶滅?...韓ドラの見方が変わる話題書『女性たちの韓国近現代史』が教えてくれること
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<朝ドラ「虎に翼」の考証者が丁寧につづった、実在とフィクションの世界の女性たちについて>
2024年度前期放送の朝ドラ「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の1人である三淵嘉子をモデルにしたドラマであった。
主人公の虎ちゃんは裕福かつ女性の教育にも理解のある家庭出身。そして地方の貧しい家庭出身のよねさん、華族令嬢の涼子さま、弁護士の妻で3人の息子を育てる梅子さん、そして朝鮮からの留学生のヒャンちゃんこと崔香淑(さい・こうしゅく/チェ・ヒャンスク)など、出自の異なる女性たちが自分の置かれた場所でしなやかに社会と闘っていく物語だった。
なかでも植民地下の朝鮮からの留学生ヒャンちゃんがドラマで描かれたことは大きな話題となったが、考証なくして描くことが最も難しい存在でもあった。そのヒャンちゃんの考証を担当した崔誠姫・大阪産業大学准教授の最新刊『女性たちの韓国近現代史──開国から「キム・ジヨン」まで』(慶應義塾大学出版会)が今、話題になっているのはなぜか。
「虎に翼」はストーリー展開に驚くことの多かったドラマだったが、祖国に帰国した留学生ヒャンちゃんこと崔香淑が「汐見香子(しおみ・きょうこ)」として再登場したシーンは誰もが驚いたのではないか。
夫・汐見圭さんの戸籍に入り、戸籍の上では日本人となったヒャンちゃんだが、在日1世として出自を隠して日本で暮らしていくことになる。
歴史の後知恵ではあるが、その後の在日コリアンが直面する日本での苦労を知っているがゆえに、ヒャンちゃんの再登場を複雑な思いで見ていた人も多いのではないだろうか。圭さんがよき夫としてヒャンちゃんを不当な差別や不平等から全力で守ってくれないと、親族の大反対を押し切ってまで日本に駆け落ちしたヒャンちゃんの決断が浮かばれない...、と。
しかし、今も昔も女性たちは置かれた場所で、自らの意思で人生を選択する努力をしている。運命にただただ翻弄される存在ではないことを『女性たちの韓国近現代史』は教えてくれる。さらに言うと、女性たち自身もまた長年「男性に守られるだけのヒロイン像」を自ら消費してきたことに気づかせてくれるのだ。
ドラマ「虎に翼」の圭さんは最後まで優しい夫だったが、仮にそうでなかったとしても、ヒャンちゃんは自分の意思と選択で人生の軌道修正を図り、たくましく生きていったことだろう。そんな視点を本書は与えてくれる。
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