これぞトランプ印の「黄金」時代! 原因が原因だけに価格上昇はまだ続く?
Gold's Value Is Surging Under Donald Trump

金価格上昇の原因は「トランプ、トランプ、トランプ」 Source: BullionVault
<トランプ政権の関税措置の発表を受けて金価格が急騰、連続で史上最高値を更新中。トランプの政策が世界経済に与える大混乱を懸念して、資金が安定資産の金市場に流れ込んでいる>
金価格は長期にわたって上昇を続けているが、最近はとくにめざましい急騰ぶりを見せている。1月11日にも史上最高値を更新した。専門家のなかには、こうした動きを、トランプ政権の経済政策に起因するとみる向きもある。
金価格は11日に1トロイオンスあたり2968.5ドル(日本では1グラムあたり約1万5000円超、2月12日、田中貴金属調べ)まで上昇し、3000ドルに迫る勢いで推移している。
週初からの金価格の急騰は、ドナルド・トランプ大統領がアメリカへのすべての鉄鋼とアルミニウムの輸入品に25%の関税を課すという新たな関税政策を発表した後に始まった。
こうした攻撃的な関税政策が、トランプの他の通商政策と相まって、米ドルに下落圧力をかけるのではないかという懸念から、多くの人々が金に目を向けていると、専門家は推測している。金に期待が集まるのは、安全資産として、また通貨インフレに対するヘッジ手段として、歴史的な実績があるからだ。
金相場は昨年11月の大統領選挙におけるトランプの勝利と、それに続く大統領就任の前からかなりの上昇を見せていた。過去1年間で約43%、過去3カ月で13%上昇した。
大統領選以前の金価格の主な上昇要因は、経済の不確実性、地政学的な緊張、世界の中央銀行からの需要の高まりといった不安要素だった。