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アメリカ北東部でコロナ感染が沈静化しているのはなぜか?
ニューヨークのレストランでは、現在も店内での営業が禁止されている Jeenah Moon-REUTERS
<レストランやバーへの営業制限、大人数が参加するパーティーの禁止など、米北東部では「準ロックダウン」とも言える感染防止策が続いている>
アメリカ全土で見るとコロナ危機はまだまだ拡大中です。感染数は500万、死者は16万を超えていまだに落ち着く気配はありません。現在の感染の中心(エピセンター)は、フロリダ、テキサス、アリゾナなど南部や中西部で、新規陽性者の勢いはやや鈍っているものの、死者は増えており厳しい状態が続いています。
また、8~9月にかけて全国の学校では新学年を迎えますが、多くの学区では「全面再開」とするのか「リモート」とするのか、両者を合わせた「ハイブリッド」とするのか検討が続いています。また再開やハイブリッドで行う学区でも、ほとんどの場合は家庭の判断で100%リモートが選べるようにしているようです。そんな中で、就学年齢の子供たちを対象としたPCR検査数が伸びるとともに、子供の新規陽性者も増えており、7月後半の2週間で9万7千人の子供が陽性となったとことは全米に衝撃を与えました。
そんな中で、私の住む(ニュージャージー州をはじめとした)北東部は、落ち着きを見せています。例えば、
▼ニューヨーク州......累計陽性者数421,336、累計死者数25,204
▼ニュージャージー州......累計陽性者数185,031、累計死者数14,025
という大変に厳しい数字となっています。ですが、最新の数字としてはかなり落ちついてきており、例えば現地8月10日の1日の数字としては、
▽ニューヨーク州......新規陽性者数476、陽性率0.88%、死者数2
▽ニュージャージー州......新規陽性者数285、陽性率0.98%、死者数4
となっています。顕著なのは、PCR検査全体における陽性率です。両州ともに、毎日3万から5万人単位での検査を続けているにも関わらず、7月後半以降は1%を切っており非常に落ち着いています。
その原因ですが、とりあえず3つ考えられます。
集団免疫を獲得した可能性も?
1つは、一時期の感染爆発により抗体保有者が増え、一種の集団免疫になっているという可能性です。例えば、ニューヨークではかなり規模の大きなランダムな抗体保有検査で20%という数字が出ています。
理論的には集団免疫ができて、免疫の壁に守られて全体的な感染が収束するには60%の抗体保有率が必要という指摘もあります。ですが、ニューヨークの場合は活動が激しく、接触機会の多い通勤者や若者の間での抗体保有率は、全平均の20%より高くなっていて、相当に高い可能性も指摘されています。
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