韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視している
「籠城」する尹を守る大統領警護庁の職員(1月8日) DANIEL CENGーANADOLU/GETTY IMAGES
<戒厳令宣布をめぐる尹大統領の拘束令状執行が大詰めを迎えている。一方で、いったんは地に落ちた尹の支持率が回復傾向を見せている。なぜか>
12月3日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による戒厳令宣布と国会閉鎖などの試みは、たちまちのうちに失敗した。12月14日には、2回目の上程で大統領の弾劾訴追案が可決され、尹の大統領としての権限が停止された。尹や彼と共に戒厳令宣布を主導した人々には内乱罪の嫌疑がかけられ、前国防相をはじめとする要人が次々と逮捕された。
このような状況を受けて日本のメディアでは、続く憲法裁判所の審査でも弾劾が認められるのは確実であり、その後に行われる大統領選挙で最大野党「共に民主党」代表の李在明(イ・ジェミョン)が当選するだろうとの予測の下、来たるべき政権での対日政策について議論するところまで現れた。
しかし、韓国の政治状況は大きく変化した。尹は戒厳令宣布以後の自らの行動の違法性を認めず、弾劾反対で党論を統一した与党「国民の力」は国会で多数を占める野党に強硬に対峙した。紆余曲折を経て憲法裁判所による弾劾審査は12月27日に開始されたものの、一連の事件の捜査に当たる高位公職者犯罪捜査庁による捜査は、尹の拘束令状執行が大統領警護庁の抵抗によって1月3日に中止した後、膠着状態に至っている。
大統領が自らの官邸に「籠城」を続けるなか、韓国世論も変化しようとしている。世論調査会社リアルメーターによれば、「共に民主党」と「国民の力」の支持率の差は、大統領弾劾訴追案が国会で可決された12月第2週には52.4%対25.7%とダブルスコアに近い状態まで開いていたが、わずか3週間後の1月第1週には45.2%対34.4%まで縮小した。この与党の支持率は尹が戒厳令を宣布する直前の調査をわずかながら上回る。尹と与党は戒厳令宣布と大統領弾劾のダメージから急速に立ち直りつつあるように見える。
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