アングル:韓国大統領代行の韓悳洙首相、超党派の実務家と定評
韓国国会は14日、尹錫悦大統領に対する2度目の弾劾訴追案の採決を行い、賛成多数で可決した。これを受けて大統領代行となる韓悳洙首相(写真)は、超党派の実務家であり、理性的な人物としても定評がある。5月撮影(2024年 ロイター/Kim Soo-hyeon)
Joyce Lee
[ソウル 14日 ロイター] - 韓国国会は14日開いた本会議で、尹錫悦大統領の戒厳令宣布を巡り野党が提出した大統領に対する2度目の弾劾訴追案の採決を行い、賛成多数で可決した。尹大統領は職務停止となり、憲法裁判所が弾劾の可否を審理する間、韓悳洙首相が大統領代行を務める。
党派で分断されている韓国において、韓氏は党派を超えてキャリアを積んできた実務家であり、理性的な人物としても定評がある。
韓氏は大統領代行として、過去40年間で最も深刻な政治危機の中で政府の機能を維持し、北朝鮮の脅威や国内経済の減速に対処するという困難な仕事に直面することになる。
現在75歳の韓氏は、保守・リベラルを問わず、5人の大統領の下で30年以上にわたり指導的地位を経験。駐米大使、財政相、通商相、政策調整担当大統領秘書官、首相、経済協力開発機構(OECD)大使のほか、さまざまなシンクタンクや組織のトップを歴任した。
ある元政府高官は「韓氏は(5人の大統領の下で)働いたにもかかわらず、政治色のない根っからの公務員だ」と評した。
韓氏の大統領代行としての役割は、憲法裁が尹大統領の弾劾の可否を決定するまで、数カ月続く見通し。弾劾が確定すれば尹大統領は失職し、大統領選挙を60日以内に実施しなければならないが、それまで韓氏が代行を務めることになる。
最大野党「共に民主党」は、尹大統領の戒厳令宣布を阻止できなかったとして、韓氏を捜査対象に加えるよう申し立てている。国会が韓氏弾劾を可決すれば、財政相が大統領代行となる。
韓国の憲法には、首相が大統領代行を務める場合に行使できる具体的な権限の範囲が明記されていない。大半の学者は、国政のまひを防ぐ程度の限定された権限しかないと考えているが、大統領としての全ての権限を行使できるとする意見もある。
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