アサド政権崩壊、シリア化学兵器破壊の好機=米高官
米国のニコール・シャンペイン化学兵器禁止機関(OPCW)大使は12日、シリアのアサド政権崩壊によって、シリアに残存するとみられる化学兵器を除去する好機が到来したとの認識を示した。写真は10日、シリアのダマスカスで撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh) 2024 YEAR END GALLERIES.
[アムステルダム 12日 ロイター] - 米国のニコール・シャンペイン化学兵器禁止機関(OPCW)大使は12日、シリアのアサド政権崩壊によって、シリアに残存するとみられる化学兵器を除去する好機が到来したとの認識を示した。ロイターのインタビューに対し、米政権はシリアの化学兵器を除去するためのOPCWの取り組みを強力に支援すると述べた。
OPCWは12日、オランダ・ハーグでシリアに関する会合を非公開で開催。シリアの化学兵器不拡散に向けた資金や技術支援に関し、加盟国に承認を求める見通しだ。シャンペイン氏は、シリアに化学兵器禁止条約(CWC)に基づく義務を遵守させる好機だとの認識を示した。
シリアは2013年にOPCWに加盟し、化学兵器の廃棄に同意した。しかし、OPCWの査察を受けながらも、禁止兵器の保有を継続。国連やOPCWは、シリア政府軍が反政府勢力との戦闘でサリンなどの化学兵器を使用したと結論づけた。一方、アサド政権と、軍事同盟国のロシアは、シリア内戦での化学兵器の使用を一貫して否定してきた。
アサド政権の崩壊以降、シリア国内は混乱が続く。多数の武装グループの存在もあり、化学兵器の拡散を防ぐことが急務となっている。外交筋によると、化学兵器の保管場所の特定や、残存する化学物質・弾薬などの把握と管理、安全に破壊する方法と場所の確保―などが当面の優先課題となるとしている。
OPCWのアリアス事務局長は、「申告された2つの化学兵器関連施設で、未申告の化学兵器が本格的に開発・生産されている可能性がある」と問題提起していた。
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