米11月PPI、前年比3.0%上昇に伸び加速 卵の高騰が寄与
米労働省が12日発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.0%上昇した。写真は2019年3月、米ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.0%上昇した。伸びは前月の2.6%から加速し、上昇率は2023年2月以来最大となった。市場予想の2.6%も上回った。
鳥インフルエンザの流行による卵の価格高騰が上昇に寄与した。
前日発表の11月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇。伸びは10月の2.6%から加速した。
11月のPPIは前月比0.4%上昇。エコノミスト予想は0.2%上昇だった。10月は0.3%上昇と、従来の0.2%上昇から上方改定された。
主に食品価格の急騰で押し上げられたが、サービス価格の上昇が緩和したことから、ディスインフレ傾向は続いているとの見方も出ている。
食品とエネルギー、貿易サービス部門を除く狭義のコア指数は前年比3.5%上昇と、伸びは10月と同じだった。前月比では0.1%上昇。10月は0.3%上昇していた。
モノの価格は0.7%上昇。伸びは10月の0.1%から加速した。食品は3.1%、エネルギー商品は0.2%それぞれ上昇した。卵の価格は前月比54.6%上昇した。
食品とエネルギーを除くモノの価格は0.2%上昇。5カ月連続でこの幅での上昇となった。
サービス価格は0.2%上昇と、伸びは10月の0.3%から鈍化した。ポートフォリオ管理費が0.6%下落したほか、航空運賃が2.1%下落。宿泊費も下落した。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は、コアPCEインフレが来年さらに低下する下地は整っているとした一方で、「トランプ次期政権が輸入関税の引き上げや不法移民送還などを行えば、せっかくの勝機を逃すことになるだろう」と述べた。
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